最終更新日 2024/09/24

メトクロプラミド

メトクロプラミドとは・・・

メトクロプラミド(Metoclopramido)とは、制吐薬の一つである。消化管運動の促進作用があり、吐き気のほか、胸焼けや食欲不振などを改善させる。

 

禁忌

以下の患者への投与は禁忌とされている。
・褐色細胞腫又はパラガングリオーマの疑いのある患者は急激な昇圧発作を起こすおそれがある。
・消化管に出血、穿孔または器質的閉塞のある患者は症状を悪化させるおそれがある。

 

慎重投与

小児

錐体外路症状不随意運動)が出現しやすい。特に、脱水症状がみられるときや発熱時の投与には注意する。

 

高齢者・腎障害のある患者

血中濃度上昇、錐体外路症状が出現しやすい。

 

脱水・栄養不良状態等を伴う患者

悪性症候群が起こりやすい。

 

併用注意

フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤、ラウオルフィアアルカロイド薬剤、ベンザミド系薬剤

メトクロプラミドと同じ、抗ドパミン作用があるため、内分泌異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。

 

ジギタリス剤

ジギタリス中毒の指標となる嘔吐・食思不振症状が、メトクロプラミドの制吐作用により不顕性化することがある。

 

カルバマゼピン

カルバマゼピンの中毒症状(眠気、悪心、嘔吐、眩暈等)があらわれることがある。

 

抗コリン剤

メトクロプラミドの消化管運動亢進作用と抗コリン剤の消化管運動抑制作用が拮抗し、消化管における作用が減弱する。

 

効能・効果

消化器機能異常(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満感)の改善。
X線検査時のバリウム通過促進。

 

副作用

ショック、アナフィラキシー、悪性症候群、意識障害、痙攣、遅発性ジスキネジア、錐体外路症状、内分泌機能異常(プロラクチン値上昇)、腹痛下痢、便秘、血圧低下、頻脈不整脈、眠気、頭痛、頭重、興奮、不安、発疹、浮腫、めまい倦怠感など。

 

使用上の注意

・副作用に眠気、めまいがあるため、投与中は車の運転などは行わないよう注意が必要。
・メトクロプラミドの制吐作用により、何らかの病態(薬物中毒、腸閉塞脳腫瘍など)による嘔吐症状を不顕在化することがあるので注意する。

 

過量投与

錐体外路症状、意識障害(昏睡)等があらわれることがある。また外国において本剤の大量投与によりメトヘモグロビン血症があらわれたとの報告あり。

 

引用参考文献

1)メトクロプラミド錠5mg「トーワ」添付文書.(2024年9月閲覧)

SNSシェア

用語辞典トップへ