意識障害とは・・・
意識障害(いしきしょうがい)とは、意識が混濁し、外側からの刺激や呼び掛けに無反応であったり、状況を正しく認識できなかったりする状態のことである。
意識障害は、意識混濁と意識変容の2つに大別される。刺激や呼び掛けに無反応である場合を意識混濁、幻覚や錯乱などの症状がみられる場合を意識変容という。
最も重度の意識障害で、完全に意識を喪失した状態を昏睡という。
症状
意識障害の症状は、細かく分類すると軽度のものから、傾眠(けいみん)、昏迷(こんめい)、半昏睡、昏睡に区分される。
・傾眠:刺激を与えたり呼びかけたりすることで意識が覚醒するが、放置すれば眠る状態のこと。
・昏迷:強い刺激でないと覚醒しない状態のこと。中程度の意識障害である。
・半昏睡:強い痛み刺激にのみ顔や手足が反応する。
・昏睡:外部からの刺激に完全に反応しない状態のこと。
原因
脳の器質的な障害のほか、アルコール、低血糖、精神疾患などの二次的な脳機能障害が考えられる。それぞれ治療方法は異なる。
判定のポイント
意識障害の判定や程度は、観察する人間の主観によって左右されやすい。このため、用語のみを記載するよりも、具体的な状況(呼びかけに反応するか、開眼するか、質問に答えるか、痛みなどの刺激に反応するか等)を記載するほうがわかりやすく、観察者が変わったとしても状態の変化を比較しやすい。ジャパン・コーマ・スケール(JCS)やグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)が汎用されている。
引用参考文献
1)症候.医療情報科学研究所編.川並透監.病気がみえる vol.7 脳・神経.メディックメディア,2015,456-458.(ISBN9784896323580)