最終更新日 2018/07/25

血圧

血圧とは・・・

血圧(けつあつ、blood pressure)とは、血液が血管内を移動(血流)する際に、血管壁が受ける血液からの圧力のことである。臨床現場では血圧は動脈血圧を指し、静脈内の圧は静脈圧と呼んで区別している。血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗を用いて計算し測定することができる。 

 

血圧は、心拍出量(CO)×全末梢血管抵抗(TPR)で計算できる。

 

動脈血圧には収縮期血圧拡張期血圧があり、その差を脈圧という。

 

収縮期血圧 systolic blood pressure;sBP

心臓から大動脈・全身に血液が送られているとき(収縮期)、心臓から拍出された血流が大動脈壁に与える圧力のこと。血圧が最も高くなるため、最大血圧または最高血圧ともいう。

 

拡張期血圧 diastolic blood pressure;dBP

全身から心臓に血液が戻ってくるとき(拡張期)、心臓に向かう血流が血管壁に与える圧力のこと。血圧が最も低くなるため、最小血圧または最低血圧ともいう。

 

心拍出量または末梢血管抵抗が増加すると、血圧は上昇する。
 例) 心拍出量の増加:輸液、輸血、強心薬など
    末梢血管抵抗の増加:昇圧剤、動脈硬化など

 

心拍出量または末梢血管抵抗が低下すると、血圧は低下する。
 例) 心拍出量の低下:出血、徐脈、心機能障害(心筋梗塞)など
    末梢血管抵抗の低下:アナフィラキシーショック感染症など

 

血圧の上昇と低下は、心拍出量と末梢血管抵抗のバランスの状態を示している。この二つの増加・低下のバランスによって血圧は増減する。
血圧は血圧計を用いて測定する。

 

平均血圧、mean blood pressure、mBP、mean arterial pressure、MAP

拡張期血圧+脈圧÷3で求められる。臓器灌流の指標(心臓から拍出された血流が体内の各臓器に行き届いているか)になる。慣習的にmBP>65mmHgであれば、最低限の臓器灌流は維持されていると考えられてきたが、個人差があるため、65mmHgあれば良いというわけではない。臓器灌流障害が起こると肝障害(肝臓)、腎機能障害(腎臓)、意識障害)、四肢壊死(四肢)が起こる。収縮期血圧が保たれていても、平均血圧が低い場合には、臓器障害のリスクがある。

執筆: 小森大輝

順天堂大学大学院医学研究科 総合診療科学大学院生

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