白血球にはどんな種類があるの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。

 

今回は白血球の種類について説明します。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

白血球にはどんな種類があるの?

白血球にはさまざまな種類があります。それぞれ名前がついていますので、命名の意味を理解しながら確認していきましょう。

 

まず、細胞の中に顆粒をもつ顆粒(かりゅう)球と、顆粒をもたない細胞に分類できます。顆粒球には、好中球好酸球、好塩基球という3つの種類があります。これはそれぞれ、色素に染まらない白血球、酸性の色素に染まる白血球、塩基性の色素に染まる白血球という意味の名称です。

 

最も数が多いのが好中球で、白血球の50~70%存在します。好酸球はアレルギー反応を引き起こし、また、顆粒の作用で攻撃します。好塩基球は、顆粒内のヒスタミンヘパリンなどによってアナフィラキシー、じんま疹、気管支喘息などのアレルギー反応を引き起こしますが、血管内での血液凝固を防ぐという役割もあります。

 

小さな顆粒を少量もつ白血球にはリンパ球単球があります。リンパ球には、Tリンパ球Bリンパ球NK細胞があり、お互いに協力しながら異物と戦います。単球は組織の中に入るとマクロファージになり、貪食(どんしょく)作用を行います。また、抗原情報をリンパ球に伝えるという役目もあります。

 

免疫の詳しい秩序は「免疫って何?」を参照してください。

 

MEMO1白血球の寿命

リンパ球の寿命は数年間と長く、好中球は約10時間と短い。白血球は老化すると肝臓や脾臓で破壊されます。

 

※編集部注※

当記事は、2019年2月4日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版

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