白血球にはどんな役割があるの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は白血球の役割について説明します。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

白血球にはどんな役割があるの?

白血球は侵入する微生物から生体を守る自衛軍の兵隊です。非自己である微生物を感知し、血流に乗って異常が起きている現場に駆けつけます。移動する範囲は血液中だけではありません。アメーバのように自由に形を変化させ、血管内皮細胞の隙間もするりと抜けて組織で移動します。

 

白血球は体内に侵入した微生物を見つけると、微生物を外側から包み込んで自身の細胞内に取り込む方法で退治します。細胞が微生物を食べたり、飲み込んだりするように見えるため、貪食(どんしょく)作用、食作用などといいます。

 

白血球は感染などが起こると、白血球を増やす因子により数が増える仕組みになっています。すなわち、血液検査によって白血球の数が基準値を上回っている場合は、生体のどこかに細菌による炎症などが起きていると確定できます。

 

※編集部注※

当記事は、2019年1月28日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版

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