赤血球の寿命はどれくらい?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は赤血球の寿命について説明します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
赤血球の寿命はどれくらい?
赤血球の寿命は約120日です。老化した赤血球は脾臓で破壊されます。これを溶血(MEMO1)といいます。赤血球の成分はマクロファージ(MEMO2)によって処理されるのですが、このとき、すべてが廃棄物になってしまうのではなく、かなりの部分が再利用されます。
赤血球に含まれるヘモグロビンは、ヘムとグロビンに分解されます。ヘムの一部はさらに分解され、中に含まれる鉄が血清タンパク質と結合して骨髄に運ばれ、赤血球に再利用されます。
ほかの多くのヘムは門脈を通って肝臓に運ばれ、ビリルビンに変換されて胆汁色素として働きます(「黄疸はどのようにして起きるの?」参照)。グロビンの多くはそのまま再利用されます。
MEMO1溶血
赤血球の膜が破壊され、赤血球の成分が血球の外に流出する現象。赤血球の老化だけでなく、採血時の急激な陰圧や不適合輸血などでも溶血が起こります。
※編集部注※
当記事は、2019年1月21日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版