タンパク質とは・・・
タンパク質(たんぱくしつ)は、細胞中のリボソームで合成される複数(おおまかには50個以上)の線状に連なったアミノ酸が構成する分子の総称である。それぞれのタンパク質は、アミノ酸の配列によって規定される立体構造を有する。この立体構造が、それぞれのタンパク質の生体における機能を特徴づける。
例えば、以下のような特徴がある。
・酵素としてエネルギー代謝や細胞内の分子合成に関わる。
・シグナル(信号)として細胞内や細胞間の情報伝達に携わる。たとえば、膵臓から分泌されるインスリンは、全身の細胞の膜上にあるインスリン受容体 (これもタンパク質である)に結合し、ブドウ糖の取り込みを促進する。
・構造タンパク質として生体を形作る。たとえば、コラーゲンやエラスチンは皮膚や軟骨などの結合組織を構成するタンパク質である。
タンパク質の合成障害は、さまざまな疾患の原因となることが知られている。合成されたタンパク質が、その本来の機能を発揮できないためである。これらの疾患の例として、アルツハイマー病、パーキンソン病、プリオン病、前頭側頭葉変性症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病 (およびその類縁疾患)、アミロイドーシス、白内障、嚢胞性線維症、鎌状赤血球症などがある。また、正常に合成されたタンパク質が、時間を経て変性や分解され疾患として発症する場合もある。加齢による白内障はその例である。