肺炎とは・・・
肺炎(はいえん、pneumonia)とは、肺の炎症の総称である。
細菌などの微生物を原因とする肺実質の急性の感染性の炎症を指すことが一般的である。細菌以外にも、ウイルスや真菌などが原因になることもある。嚥下機能低下や誤嚥により生じるものを誤嚥性肺炎と呼ぶ。
感染症以外の肺炎として、化学物質の刺激による化学性肺炎、放射線治療による放射線性肺臓炎、免疫異常によって生じる間質性肺炎、過敏性肺炎、薬剤性肺炎などがある。
感染性の肺炎が発症した場所や病態により、市中肺炎、院内肺炎、医療・介護関連肺炎に大別される。
診察
呼吸器症状として、咳嗽、喀痰、呼吸困難、胸痛が、全身症状として、発熱、倦怠感、食思不振、意識障害が認められる。病状、原因を把握するために発症の場所、状況、既往歴、生活歴について聴取する。バイタルサイン、胸部聴診、皮膚や口腔内の乾燥の程度、下腿浮腫の有無などを診察する。
検査
検査は、病状の他覚的評価、原因の特定、他疾患の鑑別に必要であり、喀痰培養検査、血液培養、血算・血液像・生化学検査、動脈血ガス分析、尿検査、各種抗原検査、画像検査を行う。
治療
治療は、得られた情報から原因微生物を予測し、腎機能や肝機能を考慮して用いる薬物、用量を選択し、投与する。低酸素血症を認める場合は、酸素投与をCO2ナルコーシスに留意しながら行う。安静を保ち、発熱と頻呼吸により脱水に陥りやすいため、輸液を行う。自己排痰が不十分な場合は、ネブライザーを使いつつ、体位変換、胸壁のスクイーズを行う。自己排痰が困難であれば、吸引機による吸痰を行う。