最終更新日 2018/02/26

咳嗽

咳嗽とは・・・

嗽(がいそう、cough)とは、気道内に貯留した分泌物や異物を気道外に排除するための生体防御反応のことである。

 

メカニズム

咳嗽反射は、気道壁表層の咳受容体の刺激が迷走神経を介して、延髄の咳中枢に伝達されて惹起される。
咳嗽反射のメカニズムは下記3つのフェーズからなる。
吸気相:短い吸気が起こる。
加圧相:声門閉鎖と同時に胸部と腹部の呼気筋が収縮し、胸腔内圧が上昇する。
呼気相:声門が開いて強い空気の流れとともに気道内容物が押し出される。

 

分類

咳嗽は、持続期間による分類と、咳嗽の性状による分類がある。

 

持続期間による分類

持続期間による分類では、3週間未満の急性咳嗽、3週間 以上8週間未満の遷延性咳嗽、8週間以上の慢性咳嗽に分類される。持続時間により、咳嗽の原因疾患がある程度推定できる。急性咳嗽の原因の多くは感冒を含む気道の感染症であり、持続期間が長くなるにつれ感染症の頻度は低下する。慢性咳嗽においては感染症そのものが原因となることはまれである。

 

性状による分類

咳嗽の性状による分類では、喀痰を伴わないか少量の粘液性喀痰のみを伴う乾性咳嗽と、咳嗽のたびに喀痰を伴う湿性咳嗽とに分類される。乾性咳嗽の治療対象が咳嗽そのものであるのに対して、湿性咳嗽の治療対象は気道の過分泌の原因となる疾患である。

執筆: 井上 彰

明石医療センター 救急科医長

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