誤嚥性肺炎とは・・・
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん、aspiration pneumonia)とは、口腔内の唾液や食べ物、逆流してきた胃内容物などを誤嚥することで、それらとともに気道へ侵入してきた細菌により生じた肺炎のことである。高齢者や寝たきりの患者は咳反射が弱くなっていることが多く、誤嚥のリスクが高い。
診断
明らかな誤嚥のエピソードがあり、発熱と低酸素血症や喀痰・咳嗽などの気道症状を伴い、胸部レントゲンで肺炎所見を認めれば診断は可能である。誤嚥のエピソードの有無がはっきりしないことも多く、寝たきりの高齢者や脳梗塞による嚥下機能障害など誤嚥のリスクが高いかどうかの評価も重要である。
症状
発熱、低酸素血症、喀痰、咳嗽などが典型的である。高齢者の場合、典型的な症状がなく、倦怠感や食欲低下などの非特異的な症状で発症することもあり、注意が必要である。
治療
呼吸状態や全身状態により、入院を要する場合もある。抗菌薬を用いて治療することが基本である。対象とする起因菌は口腔内常在菌に加えて、口腔内嫌気性菌を想定し、選択される。肺炎治療とともに、嚥下リハビリを行って、誤嚥の予防に取り組むことも大切である。