最終更新日 2018/05/08

白血球数

白血球数とは・・・

白血球数(はっけっきゅうすう、white blood cell count)とは、血球成分の一種である白血球の数のことである。WBCと記載される場合が多い。

 

白血球の主な機能は、体内に侵入した病原体や異物から身体を守ることである。白血球は骨髄系、リンパ系に大別される。

 

骨髄系はさらに、顆粒球である好中球・好塩基球・好酸球と単球に分類される。好中球は細菌など異物の貪食・除去を行い、好酸球は寄生虫除去やアレルギー反応に関与し、好塩基球は即時型アレルギーへ関与し、単球は組織内でマクロファージへ分化し強い貪食能で免疫機能を担う。

 

リンパ系は細胞表面マーカーや機能によってB細胞、T細胞、NK細胞へ分けられ、それぞれが異なる機序の免疫能を持つ。

 

白血球数の基準範囲は約3,300~8,000/µL。各分画の値は、好中球40~70%、好酸球0~5%、好塩基球0~2%、単球2~10%、リンパ球20~50%。

 

白血球数の異常を認めた場合は、白血球の分画を必ず調べ、増加あるいは減少している白血球の種類を同定することで診断の一助になる。10,000~50,000/µLで軽度~中等度増加、50,000/µL以上で高度増加と定義される。原因として、喫煙(軽度増加の最多原因)、薬剤(特に、副腎皮質ホルモン)、白血病などの造血器腫瘍性疾患、感染症など炎症による急性期反応、悪性腫瘍などが鑑別すべき疾患として挙げられる。

 

一方、1,000~3,000/µLを軽度~中等度減少、1,000/µL以下を高度減少と定義する。特に、顆粒球(好中球)数が1,500/µL以下となった場合を顆粒球減少症、500/µL以下となった場合を無顆粒球症と呼ぶ。

 

原因としては、造血幹細胞の異常(骨髄異形成症候群、白血病、再生不良性貧血など)、抗がん剤・抗生物質などの薬剤や放射線照射などへの反応、自己免疫性疾患、重症感染症などが挙げられる。いずれも、血液検査をはじめ、画像検査、骨髄検査による原因検索が必要である。

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