骨髄検査とは・・・
骨髄検査(こつずいけんさ、bone marrow examination)とは、骨を穿刺して骨髄を採取する検査である。骨髄液を採取する骨髄穿刺と、骨組織を含め骨髄全体を採取する骨髄生検がある。
骨髄とは?
骨髄とは、骨の中(髄腔)にある造血機能を有する組織で、造血細胞と毛細血管性の類洞および脂肪組織、骨髄間質細胞で構成されており、造血細胞には造血幹細胞が存在する。
肉眼的所見から赤色髄と黄色髄に分けられ、前者は造血細胞に富むので細胞髄、後者は主として脂肪組織からなるので脂肪髄とも呼ぶ。幼児期は、全身のすべての骨が赤色骨髄であるが、加齢とともに赤色骨髄は減り、四肢の骨髄から黄色骨髄に置換され、成人では五分五分の分布となる。老人になると体幹の骨髄も黄色骨髄に次第と置換していく。
目的
骨髄検査を行う目的としては、骨髄の造血能の評価と骨髄中の異常細胞の有無の確認が挙げられる。骨髄検査では以下のような内容を調べる。
(1)末梢血で血球の異常を認める場合
造血器腫瘍や悪性腫瘍の有無。血球減少や血球増加では正常に骨髄の造血能が働いているか。
(2)特定の異常血球増加などの場合
骨髄中の異常細胞の有無。造血器腫瘍や悪性腫瘍の骨髄転移の可能性があるか。
また、末梢血で異常がない場合でも、悪性リンパ腫や粟粒結核の補助診断として行われる。
検査方法
骨髄検査は、赤色骨髄がある骨で行う必要があり、成人では腸骨もしくは胸骨から採取されるが、第一選択は腸骨である。
胸骨は、皮下組織が少なく穿刺が容易であり、高齢者でも比較的細胞密度が保たれているが、心タンポナーデなどの合併症の可能性が高く、推奨されない。骨髄生検は胸骨からは禁忌である。なお、小児でも腸骨で行われることがほとんどだが、脛骨や椎骨棘突起からも採取することは可能である。
引用参考文献
1)日本検査血液学会編.スタンダード検査血液学.第3版,医歯薬出版,2014,496p.(ISBN9784263226711)