血液の成分は何?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は血液の成分について説明します。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

血液の成分は何?

血液には、流れる結合組織という別名があります。ふつうの組織は、細胞と細胞の間に細胞間隙という空間があり、そこに組織間液(組織液)という液体成分が存在しています。実は血液も同様に、赤血球や白血球などの細胞(血球成分)と、細胞間液(血漿成分)で構成されています(図1)。

 

図1血液の構成成分

血液の構成成分

 

試験管に入れた血液を遠心分離機にかけると、固形成分である血球が下に沈み、血漿が上澄みとして分離されます。比率は、固形成分が45%、液体成分が55%です。固形成分の99%以上は赤血球で、白血球血小板は固形成分の1%以下です。血液に対する赤血球の割合をヘマトクリット値といい、通常は40〜45%になります。

 

血漿は血清とフィブリノゲンに分けられます。血清には、アルブミンメモ2)、グロブリン(メモ3)などのタンパク質をはじめ、種々の電解質、アミノ酸やブドウ糖などの栄養素、尿素やクレアチニンなどの老廃物などが含まれています。フィブリノゲンは線維素原ともいい、フィブリンに変化して血液を凝固させます。

 

メモ1血清タンパク質

アルブミン、グロブリン(α、β、γの3種)、マクログロブリン、そのほか約80種類のタンパク質を血清タンパク質といいます。

 

メモ2アルブミン

分子量が最も小さな血清タンパク質で、血液の浸透圧を維持するうえで重要な役割を果たします。

 

メモ3グロブリン

αグロブリンとβグロブリンは血液中の脂質や鉄、ホルモンなどの輸送に係わります。リンパ球で作られるγグロブリンは抗体であり、免疫に係わります。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

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