感覚にはどんなものがあるの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は感覚の種類について解説します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
感覚にはどんなものがあるの?
感覚は特殊感覚、体性感覚、内臓感覚の3つから構成されています。
特殊感覚には、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、平衡感覚があります。これらの感覚を担当する感覚器は、眼(視神経)、耳(聴神経)、舌(顔面神経と舌咽<ぜついん>神経)、鼻(嗅神経)、内耳(前庭神経)です。( )内の神経は、これらの感覚器で得た情報を脳に伝える感覚神経です。
体性感覚は、表面感覚と深部感覚があります。表面感覚は皮膚感覚ともいい、触覚、圧覚、痛覚、冷覚、温覚などがあります。深部感覚には運動感覚や位置感覚、振動感覚などの種類があり、筋や腱、関節などの感覚受容器で感知します。感覚受容器で感知した感覚刺激は、脊髄を通って小脳と視床に伝えられ、最終的には大脳に伝わります。
内臓感覚には、臓器感覚と内臓痛覚があります。臓器感覚は空腹感、のどの渇き、尿意など、臓器が物理的・化学的に刺激されることによって生じる感覚です。内臓痛覚は、内臓が痙攣したり、炎症を起こしたり、拡張したりすることで生じる痛みです。内臓痛覚は自律神経によって伝わります。
MEMO感覚神経
知覚神経ともいい、全身の感覚情報を脳に伝える役割をもちます。
※編集部注※
当記事は、2019年11月11日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版