鼻とは・・・
鼻(はな、nose)とは、嗅覚を司る器官であり、呼吸をするための器官でもある。
構造(図1)
鼻は外鼻、鼻腔、副鼻腔からなる。
(1)外鼻
外鼻は、三角錐状に顔の中央部分に突出した部分で、額に近い方から鼻根、鼻背、鼻尖、鼻翼部によってなる。鼻根部には骨(鼻骨)があり、この鼻骨と鼻軟骨が鼻を形作っている。外鼻孔(鼻腔への入り口)によって外界に通じている。
(2)鼻腔
鼻腔とは、外鼻孔から咽頭までの空間のことである。外鼻孔から2cmほどの部分は鼻前庭と呼ばれ皮膚でおおわれており、その後方は粘膜に覆われている。軟骨の鼻中隔によって左右に分けられており、さらに鼻腔内のひだ(上鼻甲介、中鼻甲介、下鼻甲介)によって上鼻道、中鼻道、下鼻道に分けられる。鼻甲介と鼻中隔の間の空間は、総鼻道と呼ばれる1)。
鼻腔には、空気の埃を取り除き、呼気を温め適度な湿気を与える役割がある。また、鼻腔の上部の一部の粘膜には嗅覚を司る嗅細胞が存在しており、嗅部と呼ばれる。嗅部以外は呼吸部と呼ばれ、鼻腔で最大の領域を占める2)。
鼻中隔の前端部分には、毛細血管が豊富にあり、鼻出血が高頻度に起こる部位(キーセルバッハ部位)である。
(3)副鼻腔
副鼻腔とは、鼻腔に隣接した骨内の空洞のことであり、前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、上顎洞からなる。内面は鼻粘膜の続きで覆われており、粘膜の線毛はウイルスや細菌、ホコリなどを副鼻腔外に除去する。
引用参考文献
1)小松浩子ほか.耳鼻咽喉・頸部の構造と機能.系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学14.第12版,株式会社医学書院,2013,28-31.(ISBN9784260015769)
2)Frank H. Netter.頭頚部.ネッター解剖学アトラス.原書第6版,エルゼビア・ジャパン,2016,36-37.(ISBN9784524259670)