知らなかったじゃ済まされない?いまさら聞けない2014年度診療報酬改定のポイント【1】

2年に1度行われる診療報酬改定は、看護師にとっても無視できない話題です。「看護師の大リストラの可能性」という話題も出るほど、看護師の働き方や職場選びに大きな影響がある昨今の改定。看護師として、「知らなかった」では済まされないかもしれません。

 

今年の4月にも診療報酬改定が行われ、在宅医療に対する報酬のいっそうの充実がはかられました。改定から半年がたちましたが、改めて今回の診療報酬改定で理解しておくべきポイントを2回にわけておさらいしたいと思います。

 

【看護師が知っておくべき2014年診療報酬改定 2つのポイント】

 

  1. 【1】在宅医療の推進
    •   ●機能評価型訪問看護ステーションの新設
    •   ●「在宅復帰率」を導入

  2. 【2】医療機関の機能分化
    •   ●7対1要件の厳格化
    •   ●地域包括ケア病棟の新設
    •   ●有床診療所の評価
    •   ●看護師の負担軽減策
      •    ・夜間の看護補助者の配置の評価引き上げ
      •    ・有床診療所の看護師配置の評価引き上げ

 

【まとめ】

  •   ●看護師の負担はどうなる?

 

ポイント【2】・【まとめ】は次の記事で解説しています。

 

 

(おさらい)2025年問題とは・・・超高齢社会にむけて在宅医療にシフト

2012年度から、診療報酬は大きなテーマを持った改定が行われています。そのテーマとは、ずばり「2025年問題」への取り組みです。最も人口ボリュームのある団塊の世代が、全員後期高齢者に突入する2025年には、65歳以上の高齢者が3500万人にも上ります。

 

2025年問題への取り組みを一言で言えば、増え続ける高齢者を病院や介護施設だけではケアしきれないため、在宅でのケアにシフトしていくための施策です。
政府は「地域包括ケアシステム」の導入を進めています。地域包括ケアシステムとは、住みなれた地域で医療・介護・予防・生活支援を一体として受けられるサービスのことです。

 

こうした背景を受けて行われた2014年度の診療報酬改定のポイントは、「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実」です。このうち、看護職にかかわる部分を中心にみていきたいと思います。

 

診療報酬改定のポイント【1】在宅医療の推進

 

●24時間対応や看取りも含めた「機能強化型訪問看護ステーション」

まず、在宅医療に関する新項目としては、患者のニーズに応えられる体制をもったステーションを機能強化型と位置づけ、手厚い報酬を配分することが大きなトピックスです。

在宅患者が訪問サービスに望むことの上位には、「24時間対応してくれること」「病状が重くなっても対応してくれること」などがあがっています。
そこで訪問看護ステーションのなかでも、▼24時間対応体制▼看取り▼重症者受け入れ▼常勤看護職員数――などの要件を満たしたステーションを「機能強化型訪問看護ステーション」と位置づけます。

 

●訪問看護ステーションは大規模化が進む

現状の訪問看護ステーションの6割は、看護・介護職員数5人未満の小規模ステーションです。国の調査結果では、規模の大きいステーションほど、24時間対応など患者のニーズを満たしていたり、重症度の高い患者を受け付けていることがわかっています。

全体の流れとしては、訪問看護ステーションの大規模集約化がはかられていく方向です。

 

●医療と介護の連携推進

また、医療と介護の連携も大きなポイントの1つです。調査では、看護職のケアマネジャーと比べて、介護職のケアマネジャーが困難と感じる項目として「疾病への理解」「病状の変更に伴うプラン変更」「主治医との連携」などがあげられていました。

介護職のケアマネは、どうしても医療の視点で患者をみることが難しいという指摘があります。そこで、機能強化型の要件には同じ敷地内に居宅介護支援事業所を設置することも盛り込まれ、これによって一層、医療と介護の連携が進むように配慮されました。

 

●全病棟で「在宅復帰率」を導入

その他には、例えば、「7対1」の入院基本料の要件に、新たに「在宅復帰率」が導入されました。「7対1」に限らず、急性期から慢性期のすべての病棟において、在宅復帰機能の強化が掲げられてもいます。

 

 

在宅医療にむかって大きく舵を取る医療政策ですが、現状では訪問看護職員数は約3万人で、全就業看護職員のわずか2%。今後は在宅に関わる看護職員をいかに増やすかも、ますます大きな課題となります。

 

(つづき) 診療報酬改定のポイント【2】医療機関の機能分化

 

(参考)

厚生労働省 2014年度診療報酬改定について

TERUMO TERUNET 2014年度新設の「地域包括ケア病棟」転換を検証する

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