診療報酬2014改定◇看護師さんが知っておきたい「2つのポイント」

 

2014年診療報酬改定のポイントをまとめました!

 

2014年4月1日に診療報酬が改定されました。今回の記事では、改定のポイントについて、看護師さんが知っておきたい2つのポイントをまとめました。

 

「現場の看護師にとって何が変わったの?」

「そもそも、なぜ診療報酬って改定するの?」

という疑問にもお答えします。

 

【目次】

改定のメインテーマは『2025年問題』の解決

2014診療報酬改定「2つのポイント」

 

改定のメインテーマは『2025年問題』の解決

診療報酬は2年おきに改定されます。ところで、「どうして診療報酬って改定されるの?」と思っている方もいるかもしれません。実は、診療報酬改定は、ある大きな目的のために行われています。それは2025年問題の解決です。

 

■2025年問題とは

2025年(平成37年)は、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる年になります。その数、約2,200万人。4人に1人が75歳以上という超高齢社会がやってきます。

 

それにあたり、医療・介護・福祉などのサービス体制をより充実させていたかければなりません。しかし、現状のシステムのままでは、医療費の膨大化、入院患者増加による病床数の不足など、さまざまな問題が発生することが予想されています。つまり、このままでは、医療モデルが崩壊してしまう…。これが『2025年問題』です。

 

2025年問題の解決すべく、打ち出された指針は次の2つ。テーマは「病院から在宅へ」。


(1)医療提供体制の再構築

入院医療・外来医療を含めた医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実をめざします。その目的は、医療費の削減と医療者の負担を減らすこと。具体的には、「高度急性期」約18万床、「一般急性期」約35万床、「長期療養」約28万床という体制を目標とし、今後の診療報酬改定で少しずつ、この形に近づけていきます。

 

2025年までの病床数の推移予想が下記の表。

 

2011年の時点では、全ての病床の合計は166万床。現行予想だと、2025年には200万床。しかし、改革モデルを用いることで159万床となり、合計で約7万床のベッドを削減することができます。

 

(2)地域包括ケアシステムの構築

地域医療を充実させ、地域で完結する医療システムをつくることが目的。具体的には、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域をつくることで、大病院への「入院」「通院」に頼りがちな現在のシステムからの脱却をめざします。

 

今回の診療報酬改定も、(1)(2)の実現のために改定されています。では、ここから、今回の改定のポイントを見ていきましょう。

 

2014診療報酬改定「2つのポイント」

今回の診療報酬改定のポイントは2つ。

 

(1)急性期病棟の削減

今回の改定の1番のポイントは、7対1体制の急性期病棟の削減。前回(2012年)改定のときに、急性期病棟の充実のために7対1体制の病棟に手厚い診療報酬が設定されたのですが、その結果、急性期病棟が増え、入院にかかる医療費も増大してしましました。7対1病棟の基本入院料を引き下げることで、現在の急性期病棟36万床から、2年間で25万床へ。のべ9万床の削減をめざします。

 

(2)在宅医療の充実

入院患者の大病院への集中を緩和し、在宅医療へのシフトを促します。地域医療の担い手となる医療機関を確保し、緊急往診・在宅看取りなどに高い診療報酬点数を設定しました。

 

また、一般外来では中小病院(200床未満)や診療所による「主治医機能」を強化し、逆に大病院(500床以上)の病棟を削減するように診療報酬点数を設定しました。これにより、大病院への患者の集中を避け、地域医療と患者の接点をより増やすことをめざします。

 

まとめ

最後に、今回の診療報酬改定のポイントをおさらいします。

 

●診療報酬改定の真の目的は、2025年の超高齢社会による医療崩壊を防ぐこと

●2014年診療報酬改定のポイントは、「急性期病棟の削減」と「在宅医療の充実」

 

今回の診療報酬改定によって、今の医療がどう変わるのか。その審議が問われるのはこれからですが、患者さん、医療従事者にとってよりよい医療の形に近づけるといいですね。

 

【看護roo!編集部】


※参考文献※

平成26年度診療報酬改定の概要 | 厚生労働省

医療費抑制、効果は不透明 診療報酬の改定告示 |日本経済新聞

2014年診療報酬改定のポイント①外来・在宅医療 |キャリアブレイン

平成26年度診療報酬改定 実務上の問題点 |BLOGOS

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