新型コロナ「救急医療現場からの声」救急看護学会が公表|看護roo!ニュース

新型コロナに対する救急医療現場からの声

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大する中、救急医療の現場で働く医療者への負担も増しています。

 

この事態を受け、日本救急看護学会は4月17日、現場の声を集め、第1報として公表しました。

 

学会に寄せられた声は大きく分けて、

 

救急現場が直面している問題

現場で工夫していること

要望したいこと

 

などでした。

 

 

救急現場が直面する、さまざまな問題

救急現場が直面している問題としては、次のような声がありました。

 

救急現場が直面している問題/物が足りない!:陰圧室の数が不十分、個人防護具が圧倒的に不足、個人防護具をあまり使用しないよう指示が出た、熱がなく陽性の場合もあるので本来なら全例に個人防護具フル装備が必要など/患者が増え、人が足りない!:新型コロナ疑い患者の対応が増加、救急搬送が困難なケースの増加、相談件数の増加、ICUで2対1の看護体制がとれず3対1以上で対応することも、など/受診者などの理解が足りない!:医療や感染の知識がない人がテレビで話す持論で不安が助長、新型コロナ疑い患者が連絡なしに来院、診察後にPCR検査の結果待ちや渡航歴があると明かす患者、危険区域に侵入されてしまう、など

日本救急看護学会「新型コロナウイルス感染症への救急看護実践に関する会員の声(第1報)」を基に看護roo!編集部で作成

 

そのほか、

 

「医療者に対する患者や市民のハラスメント(暴言)が多い」
「子どもが成人している看護師や独身で若い看護師が対応しなければならないという雰囲気で不公平感がある」

 

など、誹謗中傷に苦しむ声や職場の雰囲気を指摘する声がある一方で、

 

「感染する可能性などで患者との接触を避けるなど、十分な看護ができない」
「救えるかもしれない命を救うことができなくなりつつある」

 

というような、看護師としての倫理観から通常ケアとは異なる状況に思い悩む声もありました。

 

 

地域との連携や個人防護具の工夫さまざま

物品や人が不足している中、現場で工夫しているという声もありました。

 

地域と連携して発熱患者の対応をする病院を絞ったり、個人防護具の必要最小限の使用ルール(咽頭ぬぐい液採取、咳嗽がひどい患者や認知症の患者のケアなど)を考えたりするなどです。

 

現場で工夫していること/病院:発熱患者受け入れ病院の選別、日中はコロナ外来を開設して夜間は診察せず、など/個人防護具:救急隊の事前情報をよく聞き準備、患者とケア実施者の間に透明シェルターのようなものの作成検討、など/予防やケア:挿管時の部屋指定、新型コロナ疑い例は簡易プレハブや駐車場で対応、キーボード使用後に消毒、など

日本救急看護学会「新型コロナウイルス感染症への救急看護実践に関する会員の声(第1報)」を基に看護roo!編集部で作成

 

 

ほかの病院での対応を知りたいという声も

要望としては、次のようなことをほかの病院がどう対応しているか知りたいというものが多くありました。

 

発熱患者の受け入れ体制やスタッフの配置等

個人防護具の最低限の使用基準

待合室でのソーシャルディスタンスの確保

口腔ケアや尿瓶の取り扱い等、ケアの工夫

 

 

日本救急看護学会では、引き続き現場の声を募集し、情報を共有していくとしています。
 

 

看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo

 

 

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(参考)

新型コロナウイルス感染症への救急看護実践に関する会員の声(第1報)(日本救急看護学会)

 

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