パリで火傷したけどタダで日本人医師にみてもらえました。海外旅行保険体験記
「インターナショナルクリニック」の看護師で「エスコートナース」でもある山本ルミが、患者さまとのドタバタな日常をお届けします!
Bonjuor!! 空飛ぶナースは前回に引き続きパリを満喫中です。
フランス人の親友・エレンの家で居候を始めてから、2週間が経ちました。
フランス語のモダンアートショーを見に行ったり、家の近所にある人気のスパに行ったり…あまり日本人だけでは行かない場所にたくさん連れて行ってもらいました(どれもあまり理解できなかったけど…汗)。
パリでうどんを作ったら火傷しました
フランス人の友達にうどんをご馳走する約束があったので、慣れないキッチンと料理器具と格闘しました。
その結果が火傷! 熱湯が右手の手首にかかってしまいました。すぐに水をかけて冷やしましたが、次の日には大きな水疱が…。これまで火傷をしたことがほとんどなく、痕が残ったら、と心配になり、病院受診を決意しました。自分が海外で患者になるのは初めて。
空港で加入した海外旅行保険の証書に書いてある番号に電話しましたが、その日が土曜日ということもあり、予約は救急病院になると言われました。大げさにしたくなかったので月曜まで待つと伝えると、「“アメリカンホスピタル”を訪ねるように」とのこと。
パリ郊外にあるアメリカンホスピタルには日本人医師がいて、日本人のための外来があります。フランス国営の病院とは違い、英語も完璧に通じます。プライベートの病院なので診療費は高額ですが、サービスは最高だそうです。フランス人が「お金があったらアメリカンホスピタルで死にたい」と言っているのを聞いたこともあります。
ギャルソンのいる病院「アメリカンホスピタル」がすごかった
次の週に行ってみると、保険会社が予約をしてくれていて、支払いも保証してくれていたため、私が出したのはタクシー代だけでした。もちろん自己負担のタクシー代もあとで請求すれば返ってきます。
患者として訪ねたのは初めてでしたが、実は何度もこの病院に日本人患者さんをお迎えに行き、帰国のお手伝いをしたことがあります。日本人でも「退院したくない」と言う人が多かったです。
誰もが退院したくない(笑)アメリカンホスピタル
“最先端で、綺麗で居心地が良くて、日本語が通じる”ことも大きいですが、ずっと入院していたい一番の理由は食事です。1日3回の食事は、ネクタイ付きのすてきなユニホームを着たギャルソンという男性がサーブしてくれます。
たとえば夕食は、パン、スープ、メインと、できたての食事を一皿ずつレストランのように運んでくれます。おまけに医師からのストップがない限り、ワインを飲むこともできるのです。
デザートの前にもチーズが出るし、デザートのときは「コーヒー? 紅茶? ミルクは? 砂糖は?」と聞いてくれて、至れり尽くせり。日本では考えられないサービス!
パリなのに日本人ドクター。海外旅行保険てすごい
保険会社が予約してくれたのは日本人の先生。アメリカンホスピタルには「Japanese section」があり、フランスの医師免許を取得している日本人医師が診療をしています。
受付で「I have an appointment with Dr. Mimura around 12:30」と言うと、「Are you Japanese?」と聞かれたのでYESと答えました。すると「ミギ、ヒダリ、アンド ヨンバン」と日本語。もちろん受付はフランス人です。その通りに行くと、4番に“Dr. Mimura”の名前がありました。
診察してくれた日本人の先生はとても気さくな方で、私が働いていたインターナショナルクリニックの“Dr. Aksenoff”の記事を読んだことがあるということで会話が弾み、火傷の治療はあっという間に終了。支払いもなしで家に戻りました。
今回私が加入した保険は、海外で病気や怪我をしたら、その後の180日間は日本に帰国しても継続して治療が受けられます。そして、医療者の付き添いが必要な状態なら、保険会社を通して私のようなエスコートナースに依頼があるというわけです。
とても便利だな~と改めて思いました。
すごく頼りになった海外旅行保険証
ところで、これはエレンに聞いた話ですが、フランスでは、火傷をしたら生のジャガイモを切って、すぐに火傷した皮膚につけるのが良いと言われているそうです。ちなみに我が家ではアロエでした。国によって民間療法も変わるんですね!
いつもは行って帰ってくるだけのパリ、今回はゆっくり堪能できました!
パンにチーズに赤ワイン、パリの街を満喫!
ちなみに火傷以外では、しっかりパリを満喫してきました。
仕事で訪れたときは素通りするだけなので、今回はいろいろ回ってみたいと思い、地図を片手にパリの街を散策。
いちばんフランスらしいと思ったのは、やっぱりパン屋さんです。朝6時前から開いているそうで、おいしいパン屋さんには毎朝行列ができていました。
フランス人はパンと甘い物が好きで、チョコレートの入ったクロワッサンや甘いブリオッシュ、バゲットにもバターとジャムをたっぷり塗ります。
次に足を止めたのは、前からおいしそうと思っていたチーズ屋さん。日本で売っているものとはぜんぜん違うんです。私は発酵食品が大好きで、ここで買わないなんて無理! 赤ワインと一緒に食べると最高でした(これで体重が増えないわけがない…)。
この国では低炭水化物ダイエットや甘いものを控えるのは難しいかもしれません。看護師として、フランス人の糖尿病やコレステロール問題が心配になってしまいました。
「遊んでないで仕事しろ」の2日後にはスイスへ
食べて飲んで遊びほうけているように思うかもしれませんが、この休暇中、空飛ぶナースの仕事もちゃんとしてきました!
フランスに着いて2日後にはエスコートナースとして登録しているパリの会社に行きました。有効期限が切れた薬と壊れた医療品などを新しい物に交換して、スタッフに挨拶をしてから、ボスとランチ。
これで用事が済んだと思っていたら、その2日後に「3週間も遊んでないで仕事しろ」とボスから連絡が来ました。スキーで骨折した日本人患者さんのお迎えで、連絡があった次の日にはスイスに飛んで、日本のご自宅までお送りしました。
1泊だけ東京の自宅に泊まり、次の日にはまたパリ。いつものこととはいえ、1週間以内に「日本→フランス→スイス→日本→フランス」はなかなか大変でした…(笑)
フランス人のボスと。「遊んでばっかりいるんじゃない!」というお叱りをいただきました(笑)
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