最終更新日 2024/09/27

リスペリドン

リスペリドンとは・・・

リスペリドン(りすぺりどん、Risperidone)とは、非定型抗精神病薬(セロトニン・ドパミン拮抗薬;SDA)の一種であり、主に統合失調症の治療に用いられる。

 

禁忌

昏睡状態の患者、アドレナリン投与中の患者(アナフィラキシーに対してアドレナリンが投与されている場合を除く)、バルビツール酸誘導体などの中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者などには投与しないこと。

 

効能・効果

主に統合失調症で使用される。特に幻聴や妄想などの陽性症状や意欲減退や感情鈍麻などの陰性症状に効果がある。

 

小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性(些細なことで不機嫌になること)を改善するのに用いられることもある。

 

用法・用量

以下のように剤形が豊富である。
リスペリドン内用液、リスペリドンOD錠、リスペリドン錠、リスペリドン細粒、リスパダールコンスタ筋注用(リスペリドン持効性懸濁注射液)。

 

統合失調症

成人の場合は、通常、1回1mgを1日2回より投与開始し、徐々に増量する。維持量は原則、1日2〜6mgを2回に分けて投与する。年齢や症状によって適宜増減するが、1日量は最大12mgとする。
筋注用:成人には1回25mgを2週間隔で 臀部に筋肉内投与。

 

小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性

体重により投与量は変わる(筋注用は保険適応なし)。

 

体重15kg以上20kg未満

1日1回0.25mgより開始し、4日目より1日0.5mgを1日2回に分けて投与する。症状により適宜増減するが、1日量は最大1mgまでとする。

 

体重20kg以上の患者

1日1回0.5mgより開始し、4日目より1日1mgを1日2回に分けて経口投与する。症状により適宜増減するが、1日量は体重20kg以上45kg未満の場合は最大2.5mg、45kg以上の場合は最大3mgまでとする。

 

副作用(投与後の注意点)

主な副作用としては、立ちくらみやめまい、食欲不振、眠気、口渇、便秘などが比較的多く見られる。特に服用し始めや増量のときの立ち眩み(α交感神経遮断作用に基づく起立性低血圧が表れる)に注意する。

 

ほかに錐体外路症状(手足が震える、じっとしていられなくなる、ジスキネジア、固縮、無動など)、高プロラクチン血症なども報告されている。

 

せん妄に対して

リスペリドンはせん妄への保険適応はないが、用いられることがある。
幻覚・妄想への効果は強いものの、鎮静効果はそれほど強くない。しかし、活性代謝産物が腎排泄のため、腎機能が低下している症例では翌日へ効果を持ち越すことがあるため、なるべく使用を避ける。

 

引用参考文献
1)リスペリドン錠.添付文書.(2024年9月閲覧)
2)リスパダールコンスタ 筋注用.添付文書.(2024年9月閲覧)
3)リスペリドン内用液分包.添付文書.(2024年9月閲覧)
4)平山貴敏.症例から学ぶ せん妄の薬物療法. 月刊薬事.65(15),2023,3079-3083.

SNSシェア

用語辞典トップへ