コレステロールはなぜ必要なの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「コレステロールの必要性」に関するQ&Aです。

 

[前回]

脂肪はどのような形で吸収・代謝されるの?

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

コレステロールはなぜ必要なの?

血液中のコレステロールが多いと動脈硬化脂質異常症の原因になりますが、コレステロールは生命を維持するために欠かせない働きをしています。

 

その1つが、細胞膜の構成成分になることです。細胞膜はコレステロールとリン脂質からできています。コレステロールが不足すると、細胞膜が弱くなってウイルスや化学物質などの侵入を受けやすくなります。 

 

このほか、副腎皮質ホルモンや性ホルモンなど、ホルモンの材料になることもコレステロールの役割の1つです。また、コレステロールは胆汁酸の主成分でもあります。胆汁酸の合成には1日に約700mgのコレステロールを必要とします。

 

MEMO動脈硬化

血管壁にコレステロールが沈着し、動脈の内径が狭くなったり、弾力を失ったり、硬くなったりする状態(「動脈に起こる異常にはどんなものがある?」参照)。

MEMO脂質異常症

血液中に溶け込む脂質(コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸)などのうち、とくに、コレステロールと中性脂肪が適正な必要量よりも増えた状態。

脂質異常症を放置すると動脈硬化の原因になり、心筋梗塞脳梗塞の原因になります。

COLUMN肥満、低体重の判定基準

肥満・やせの基準で、国際的に用いられているのがBMI(Body Mass Index)です。 

 

BMI=体重kg ÷(身長m×身長m) 

 

BMI値が18.5~24.9の範囲内であれば普通体重です。この数値が18.5未満であれば低体重(やせ型)、25.0~29.9は肥満1度、30.0~34.9は肥満2度、35.0~39.9は肥満3度、40.0以上は肥満4度と分類されています。

 

※編集部注※

当記事は、2017年3月23日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 

[次回]

タンパク質はどのように代謝されるの?

 

⇒〔解剖生理Q&A一覧〕を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

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