約300人の看護師の意見を元にした「医療現場向け」ハンドクリームが製品化―静岡がんセンターらが協力

【ナース知っ得ニュース 2014/9/3号】

 

看護師の手荒れケアを目的としたハンドクリームが、静岡県立がんセンターと、ファルマバレーセンター、サンスター株式会社によって共同開発されました。

約300名の看護師の意見を元に、高い保湿力とべたつかない仕事のしやすさ、ほどよい香りが反映されています。

 

看護師の手荒れケアを目的としたハンドクリームを3者共同開発(PR TTIMES)

 

約300人の看護師の意見を元にした「医療現場向け」ハンドクリームが製品化―静岡がんセンターらが協力|ナース知っ得ニュース2014/09/02|看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

 

看護師の意見が取り入れられた医療現場向けハンドクリームって?

看護師約300名の意見によると、理想的なハンドクリームは、「高い保湿力」があり、「べたつかず」直後の作業に影響しにくく、「ほどよい香り」で気分が和らぐもの。

 

そこで、べたつきにくいハンドクリームの基本処方が設計され、看護師を対象に現場で使用感評価が実施されました。実際、看護師からは好評を博し、これを元に、サンスターで試験、使用感評価などが行われた末に製品化されました。

多忙な看護師の気分を和らげるために、白色の「ハマナス」という花の香りを再現した香りはほどよく、長く残らず、患者さんへの配慮もなされた調合になっています。実際、香りに対する看護師たちの評価も比較的高い結果になりました。

 

看護師の手荒れケアは感染予防や院内感染、アレルギー予防に役立つ

看護師は仕事中に1日20~30回も手を洗うため、およそ4人に3人が手荒れを感じているといわれています。手荒れケアは、病原菌感染や院内感染へのリスク回避、アレルギー予防のためにも重要視されています。

 

そんな中、静岡がんセンター研究所と公益財団法人静岡県産業復興財団ファルマバレーセンターが中心となり、医療現場で使えるハンドクリームが開発されました。

 

看護師の手荒れの原因と対策 ハンドクリームは手指の状態によって変えよう

ICN(日本看護協会)の看護師によるレポートによれば、手荒れを引き起こす原因としては、次の5つが挙げられています。

 

・石けんや洗剤、化学物質などとの接触

アレルゲンとの接触

・ペーパーワークなどによる物理的刺激

・高温低湿度な環境

・手指衛生の際に手を強くこすり過ぎる、必要以上に石けんと流水による手洗いを行う

 

国立病院機構 西埼玉中央病院では、石けんとアルコール製剤については各人で自分に合う2~3製品を導入・選択して使用することや、正しい手洗い方法の習得を促すこと、傷のある皮膚の保護といった対策が取られています。

 

ハンドクリームについては、乾燥の予防が必要なのか、乾燥した皮膚の改善が必要なのか、手指の状態がアセスメントされ助言されています。

乾燥の予防にはグリセリンやワセリンなどの保湿効果のあるものを、乾燥の改善にはセラミドや尿素などの保水力のあるものが勧められています。

 

手荒れ対策は個人任せではなく組織全体で取り組むべき

手荒れ対策はもはや個人任せではなく、組織の問題として取り組むことが大切だといわれています。看護師の手荒れケアを目的としたハンドクリームの開発もこの考えに通じるものがあります。

 

 

(参考)http://www.jjasp.jp/academic/icn/column2.html

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