最終更新日 2018/07/23

保湿

保湿とは・・・

保湿(ほしつ、moisturizing)とは皮膚の水分を補ったり、水分の蒸発を防いだりして、皮膚の湿度を一定に保つことである。スキンケアの基本となる。

 

なぜ保湿が必要なのか?

皮膚の最外層を担う角層は、角質細胞とその周囲に存在する細胞間脂質より構成され、水分保持能を有している。角層に水分が十分でないと、角層細胞が外界の刺激に対して容易に障害を受け、角層に亀裂が入り、水分保持能を失うことになる。また、障害を受けた角層は、外界からの異物の侵入が容易になる。さらに、皮膚の可動性が不十分になることで、皮膚が柔軟でなくなり傷を生じやすくなる。

 

乾燥の原因

乾燥の原因には、角層の水分保持能のほか、年齢による皮膚の生理的変化、温度、湿度、紫外線などの環境因子がある。

 

保湿剤の役割

保湿外用薬の役割は、角層の柔軟性の保持、角層の水分保持能の向上、皮膚のバリア機能の獲得である。保湿外用薬は角層の水分保持などの乾燥を改善し、かゆみ閾値を上昇させる。保湿剤は特にアトピー性皮膚炎に対して有用であり、角層のバリア機能の改善、乾燥によるかゆみの軽減、維持期における再燃予防効果、皮疹の再燃予防を目的としたステロイド外用薬と保湿薬の併用などの役割がある。

執筆: 佐々木 朗

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター小児救急フェロー

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