看護師の転職理由~年代別傾向からナースの人生が見えてくる!?|看護師の転職お悩み相談室【4】

こんにちは、江口さおりです。毎回、看護師さんの転職のお悩みにお答えしているこのシリーズ。今回は皆さんの転職理由をご紹介します。

看護師さんの転職相談室

実は、この転職理由には年代別の傾向があります。各年代の傾向を知ることで、皆さんの将来設計にも役立つかと思いますので、せひご参考になさってください。

 

【目次】

20代は『そろそろ転職』

30代は『ワークライフバランス転職』

40代は『自分らしく転職』

50代は『定年までを見据えた転職』

まとめ

 

 

20代は『そろそろ転職』

20代の方に転職理由を尋ねるとよくにするのが「もう3年勤めたので」という返答。一般会社員の私からすると、せっかく内定もらった就職先、辞めちゃうなんてもったいない〜と思いますが、これは無資格の私の感覚。

 

看護師さんにとってはこの1回目の転職が本当の職場探しと言えるかもしれません。

 

看護師さんの最初の勤め先は、学校の関連病院、奨学金絡みなど狭い選択肢の中から決まることが多いようです。そして多くの方が大きくて忙しい急性期の病院に勤め長時間の残業、委員会や勉強会など実務以外の拘束など、修行のような日々を送って20代前半を過ごします。

 

だから『(もう忙しいのは限界!)そろそろ転職』なんです。ここで初めて自分の人生や看護観に合わせて、より多くの選択肢の中から職場を選ぶ方が多いです。

 

初めての転職ですので、ご相談を受ける際には「どうして辞めたいのか」「どんな働き方をしたいのか」「次はどんな職場であれば、その辞めたい理由が払拭され、理想の働き方が叶うのか」ということをじっくり考えていただくようにしています。

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30代は『ワークライフバランス転職』

女性の多い職種の為か、30代はワークライフに合わせて転職する方が多いです。

 

結婚、出産、プライベート充実などなど。結婚、出産などが理由の方は残業が無い、託児所があるなど働く環境を重視されます。中にはママさんが多く集まる病院もあり、産休の取りやすさ、休みの取りやすさに驚く方もいらっしゃいます。

 

一方で、自分の趣味や副業などより自分の人生を豊かにするために夜勤をしないで働くという生活にチェンジされる方もいらっしゃいます。

 

「夜勤をしていた頃と同じ生活水準を保って日勤のみで働くにはどうしたら良いですか?」など様々なご相談がありますが、看護師さんの仕事の幅は医療機関以外も様々!

 

私も看護師さんが「へー!へー!」と驚いて下さるのでついつい、いろんな職場を紹介し過ぎてしまうのですが、こういう転職をきっかけに自分の天職に出会う方もいらっしゃいます。

 

最近1番多いのは、訪問看護。日勤のみ土日が休めて年収が450万円を越える所も比較的多く、株式会社が運営している年俸制の会社なら月給30万円を超えて来ます。

 

次に有料老人ホーム。クリニックを希望している方が転職でぶつかる壁が給与ダウンですが、有料老人ホームなら綺麗な環境で働けて年収も400万円以上、健康管理のお仕事がメインで介助などは介護士が行うため、看護師は介助をしないところが殆どです。

 

それから美容クリニック。こちらはご存知の方も多いですが、日勤のみで年収400万円オーバー、朝の出勤が遅いので、ナイトライフを充実させたい方にオススメ。

 

また、学業や趣味などと両立して割よく働きたいなら夜勤専従がオススメ。一回で3万円以上稼げるので、昼間はガッツリ自分の時間にあてて、夜に割よく働くって方も多いです。

 

40代は『自分らしく転職』

40代の方でよくあるご相談がこちら「夜勤をもう一度やろうかな」「もう一度急性期病院で働けるかしら?」「10年以上ブランクがあるんだけど働いてみようと思って」など。

 

ようやく子供の手が離れてきて、もう一度自分がしたい仕事が出来るタイミングがやってくるんです。(私も一児の母ですが、育児から解放され40代になったらまたフルでバリバリ働くんだ!と密かに思っています。)

 

今まで自分のやりたい事を我慢してパートで働いたり、育児に専念されたりする方も多く、面談で過去の話を伺ってるうちに、みなさん眠っていた『本当はやりたかった事』が溢れて来て、中には、全く看護と関係のない道に進まれる方もいらっしゃいます。

 

以前いらした方は、高齢者がとてもお好きで、久しぶりの職場復帰だったので、私は高齢者施設のお仕事をオススメしたんです。

そこから、親御さんの介護をした話から介護保険の話で盛り上がって、その時ケアマネージャーの仕事に興味をもったことを打ち明けて下さいました。

やっぱり介護保険を上手く組み合わせて、直接的に、お一人お一人の高齢者の役に立ちたい!という思いから、思い切ってケアマネージャーを目指されました。

 

50代は『定年までを見据えた転職』

さて、50代の方のキーワードは『定年まで働ける職場』です。

 

体力の衰え、物覚えが悪くなるなど、目に見えない苦労が襲ってくるのが50代のようです。

 

しかし、看護師さんの仕事は身体に負担のかかる体力仕事ばかりではありませんよね。患者様、ご家族、職員、その他職種の方々など、様々な人の気持ちを察し、語りかけ、痛みや不安を緩和していくのもお仕事です。

 

人生経験に勝る武器はありません。

夜勤が辛い、腰が痛い、など転職理由は様々ですが、必ず自分が輝ける職場はあります。

 

実際に選ばれる職場として1番多いのは、有料老人ホームのお仕事です。

身体に負担がない事、看護師経験と人生経験の両方を活かせる為、定年まで働く職場として選ぶ方が増えています。こういった施設は大手の企業が運営しているケースも多く、退職金など福利厚生が充実しているのも魅力です。

 

まとめ

如何でしたか?年代別の転職理由の代表的なものを追ってみると女性の人生そのものを追っている様で素敵ですよね。

 

もちろん年代とは関係なく、人間関係が悪い、経営不振でお給料が下がった、残業が増えたなど、様々な理由で転職される方もいらっしゃいます。

 

どこの病院も忙しいので、看護師さんの転職理由ってどうしてもネガティブになりがちです。でも、自分の人生をこうしたいから転職します!という前向きな転職理由にスポットを当てると、職場探しも意外と上手くいくものです。

 

もちろん、全ての理想が叶うわけではありませんが、自分の人生という大きな視点から考えると、理想の優先順位もつきやすくなりますよ。

 

 


【江口さおり】

1984年生まれ。看護師専門転職アドバイザーとして、これまで延べ1,200名以上の看護師さんの転職をサポート。病院・施設からの採用の相談を受けることも多い。趣味は歌うこと。1児の母。


 

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