ブランク10年でも働ける!看護師が復職するために必要な2つのこと|看護師の転職お悩み相談室【3】
こんにちは。江口さおりです。看護師さんの転職アドバイザーとして、転職でのお困りごとに答えています。
今回は、ブランクからの復職を考えている方に向けて。
「子育ても落ち着いたし看護師免許持ってるしもう一度働いてみようかな~」と思っている看護師のみなさん、
ぜ、是非働いてください!!
日本の高齢化もいよいよ進んでくる中で、看護師さんの活躍のフィールドは多岐に渡ります。病院、施設(施設といっても高齢者向けのマンションなんかもあります!)、街角の検診ルーム、地域、企業…もう書ききれない!
そのくらい、高齢者を支えることと病気を予防することはこの国にはなくてはならないサービスなのです。
ただ、医療技術も機器も進歩する中で久しぶりの職場復帰、ちょっと心配じゃありませんか?
今日は「ブランクが10年あっても病棟で働けますか?」というお悩みにお答えします。
結論から言うと、ブランクが10年あっても病棟で働けます!
稀ではありますが、ブランクが20年ある方が復職しているケースもあります。
ブランクありの復職を可能にするポイントは2つ。
『ブランクがあっても働ける職場を見極める』ことと『できなきゃいけないという思い込みを捨てる』ことです。
【目次】
(1)ブランクがあっても働ける職場の見極め方
ブランクがあっても「働けない」ってことはありません。看護師さんには国家資格という素晴らしい免許があるのですから。
でも、10年のブランクを経て復職するとなると、不安も多いですよね。
ではどんな職場なら安心なのか?
見極めのポイントは職場のハード(環境)とソフト(周囲の理解・人間関係)です。
■職場のハード(環境)
まず大事なのは職場の環境です。10年ぶりに復帰して最も気になるのは「仕事を覚えられるかどうか」でしょう。
その不安を解消するために、
・仕事の進め方を覚える上で参考になるツール(マニュアルやチェック表など)があるのかどうか
・教える側に人員の余裕があるのか
を確認しましょう。
中には復職研修を用意している病院もあります。
■職場のソフト(周囲の理解・人間関係)
もう一つのポイントは周囲の理解です。
ブランクがある看護師さんや経験の浅い第二新卒の受け入れに慣れているスタッフが多いと比較的働きやすいです。
面接や見学で「ブランクがある方はどのくらいいらっしゃいますか?」と聞いてみましょう。
見学中にその人に会えたら一番確実。
ブランクがある方の受け入れに慣れている病院では、入職後も周りとうまく溶け込めていますが、不慣れな病院であれば、正直受け入れる側も教え方や接し方に戸惑うことが多くあります。
そのため「正直どう指導したら良いかわからない」と思われてしまい、肩身狭くしんどそうに働いている方もこれまで見てきました。
やはり、受け入れ慣れしている所や、慣れていなくとも人間関係がよく周りの人に聞きながら仕事を覚えて行けそうな場所を選ぶようにしましょう。
見極めるためには面接や見学で「私みたいなブランクがあるものが入って皆さんのご迷惑にならないでしょうか…」と、少し謙虚に相手の温度感を測りに行きましょう。
その時に迷惑そうにしない、明るく「大丈夫よ、みんなでがんばりましょ!」なんて言ってくれる所であれば、ブランクも乗り越えて行けるのでは無いでしょうか。
(2)「できなきゃいけない」思い込みは捨ててよし
ブランクを経て復職するときに何よりも大切なのは、復職するあなたの心持ちです!
具体的には、『できなきゃいけない』という思い込みを捨てることです。
私も復職をご希望される看護師さんをお手伝いすることはよくありますが、お手伝いしてきた方の中には、残念ながらブランクに押しつぶされてリタイアされてしまう人もいます。逆にブランクを乗り越えて生き生きと活躍している方もいます。
どうしたらブランクを乗り越えられるのでしょう?
ブランクに押しつぶされてしまう方の多くがおっしゃること。
それは、こんな言葉です。
「習ったはずなのに分からない」
「周りが忙しそうなのに私だけできなくて足手まとい」
…こんな風に、これくらいはできなきゃいけない、できて当たり前と、あるべき自分の姿に縛られているんです。
でも、気付いてください。あなたがいるというそれだけで、病院は助かっているんですよ?
採用する側は、あなたにブランクがあることは分かっています。
それでも採用するのには理由があるでしょう。病棟の人手不足かもしれません、看護配置の兼ね合いかもしれません、新病棟の設置かもしれません、とにかく病院はブランクがあっても、あなたに来てほしいと思って内定を出したんです。
誰だって慣れるには時間がかかります。
まずは自分がいることで誰かが助かっているというそのことに自信をもって一つ一つ地道に覚えていきましょう。時間が経てば必ず馴染めます。
それから「ブランク」の考え方も重要です。
「ブランク」って、何でしょう?
看護師としての実務経験では、ブランクが10年あるかもしれません。でも生きている限り、人生に「ブランク」はないんです。
その10年間であなたは何をしてきましたか?
専業主婦で家庭や子育てに専念されていた方もいらっしゃるでしょう。看護師とは違うフィールドで働いていた方もいらっしゃるでしょう。ご家庭のご苦労も、ご自身の忍耐や工夫でたくさん乗り越えて来られたでしょう。
看護師さんのお仕事は目の前の苦しみを取り除く素敵なお仕事だと思います。それは、実務経験ばかりでなく、人生すべての経験を総動員してなせる尊い仕事だと思います。
だからブランクをブランクと意識しすぎず、ブランクの間にしてきた自分の人生に自信を持ち、そして、『できなきゃいけない』という思い込みを捨ててみませんか。
そんなあなたならきっと病棟でも活き活き働けますよ!
(3)ブランクありの看護師さんが内定をもらうコツ
ブランクがある場合、面接で見られるポイントは『これまでの実務経験』と『学習能力』です。
まず、『過去の実務経験』。
ブランクが10年あっても、その前に10年働いていれば「じゃあ、すぐカンが戻るわね」と面接官は思うようです。
あとは『学習能力』です。
ブランクがある看護師さんにとってのハードルは「覚えることがたくさんある」ことです。これは受け入れ側も気にしています。
知らないこと・習ったことをどうやって覚えていくかをアピールするとよいでしょう。
・ブランクの10年間に何か新しいことにチャレンジした経験
・新しいことを覚えるための工夫をどうするか
などを面接でアピールすると、「ブランクがあっても自分でちゃんと乗り越えられそう」と評価されます。
ご参考までに。
【江口さおり】
1984年生まれ。看護師専門転職アドバイザーとして、これまで延べ1,200名以上の看護師さんの転職をサポート。病院・施設からの採用の相談を受けることも多い。趣味は歌うこと。1児の母。
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