面接で「何か質問ありますか?」と聞かれたら…解決法2パターン|看護師の転職お悩み相談室【2】

こんにちは。江口さおりです。看護師さんの転職アドバイザーとして、転職でのお困りごとに答えています。

看護師さんの転職相談室

 

今回は、お困りの声をよく聞く「面接官からの逆質問」について。

 

面接で「あなたからは何か質問ありませんか?」と聞かれることはよくあります。

こう聞かれたら、あなたはどう答えますか?

 

どう答えていいかわからない・・・と悩む場合、この2パターンが多いようです。

(1)残業や人間関係なんて、正直に聞いちゃだめだよね?

本当は残業とか人間関係とか、聞きたい質問はあるけれど、「これ聞いたらまずいんじゃないかな」と不安で聞けない。

 

(2)本当に、ない

入ってみないとわからないから、今聞きたいことは特にない。正直どこもそんなに変わらないのでは・・・。

 

たかが質問されど質問。この、いわゆる「逆質問」への対応の仕方によって、あなたの印象は大きく変わるかもしれません。

 

そこで、

(1)正直に聞いちゃだめ? とお困りの方には、聞きにくいことをうまく聞き出す方法

(2)本当にない! という方には、質問内容を絞り出す方法

をご紹介します。

 

(1)聞きにくい「残業」や「人間関係」を聞き出すには「あるかないか」ではなく「どうあるか」を聞く

よく面接のアドバイスで「ネガティブな質問は避けましょう」と言われますが、私はそうは思いません。

本当に気になることを聞かないまま、安心して職場を選べるでしょうか?

 

私は、心配なことこそ上手く聞くことが、職場選びでは大切だと思います。

 

採用する側も、できるだけ懸念点は払拭してもらいたいと思っているので、聞くこと自体がNGではありません。

 

ではどう聞くか。

 

聞きにくいことを聞き出すための極意は、「(あるとイヤだから)あるかないかを聞く」のではなく、「あるとしたらどういう状況かを具体的に聞く」です。

 

例えば、残業がどれくらいあるかを聞きたい場合。

こんな風に聞く方が多いですね。

 

【NG質問例】

すみません、残業は平均でどれくらいありますか?

 

・・・・・・・・・ちょ、直球!!!!!

 

この直球では面接官も構えてしまいます。

この時の、面接官の気持ちを想像してみましょう。

 

(やばい、来ましたいつものTHE残業質問タイム!残業があると、この人うちに来てくれないかも…。
残業があるかどうかはまちまちだから答えにくいなあ。遅いときは8時9時まで残ってるんだよね…でも本人が自由にやってるし、強制はしてないし。
あ!ママさんとか数人は定時に帰ってもらってるし、その辺アピールしとこう、そうしよう)

平均はとってないんだけど10時間はないんじゃないかな?定時に帰ってる人もいますよ。

 

ざ、残念!本当に知りたかった残業の実態が知れなかったですね。

 

これがよくある「残業あるって聞いてなかった事件」の真相です。面接官はうそをついているわけではありません。看護師さんだって質問自体はきちんとしています。

 

では、どう聞けばよかったか?

 

【OK質問例】

時間外が発生する場合はみなさん、どんなことで何時くらいまで残っていらっしゃるんですか?

 

つまり、自分がその環境に身をおいた状況をイメージして、具体的な状況を質問するのです。

そのように質問すれば、面接官も具体的に答えやすくなります。

 

他に何か質問はありますか?

時間外が発生する場合はみなさん、どんなことで何時くらいまで残っていらっしゃるんですか?

そうね、リーダーの子達は20時くらいまで残っているけど、それ以外は記録なんかで18時くらいまでかしら。急患が夕方に入れば19時すぎちゃうこともあるけどね。

 

具体的に聞き出すことで、実際の残業のイメージがつきますね。

そして追加で次のように伝えるとより効果的!

 

ありがとうございます。前の病院ではリーダー業務で21時過ぎまでの残業が当たり前だったんです。それくらいであれば、子供ができるまでの間は時間外も協力できそうです!

 

こんな風に協力的な姿勢をアピールすることで残業の質問が自分のアピールの場に変わりました。

 

そうなんです!この質問方法であれば、全然ネガティブに伝わらない上に、本当に懸念に思っている点をクリアにすることができます。

もしこの職場に多少不安な点があっても、ちゃんとリスクを分かっていれば覚悟をもって働けますので、入職したあとのストレスも少なくなりますよ。ぜひ、お試しください。

 

 

(2)質問がない場合には、自分の経験と照らし合わせて、気になる点を見つける

もう一つのパターンは、働いてみないと、実際のところはわからない。だから面接の時点ではとくに質問はない。という場合。

私もどちらかというと、何事もなるようになるでしょ、と考えているタイプで、実際それなりになるようになってきました。(笑)

 

しかし面接でそれを正直に出すのは避けるべき。「たかが質問されど質問」なのです。

本当は、「何とかやっていけると思うから質問する必要がない」という優秀な人も、質問をしないだけで「やる気がない」「本当に興味があるのか不安」などとネガティブな印象を持たれてしまう可能性があるのです。

 

というわけで、質問したいことがないとお困りの方の場合、業務内容など、自分の経験と照らし合わせられることから、気になる点を見つけて質問するのがベターです。

聞きやすいのは業務の1日の流れ。できれば見学しながら聞けると、前職と比較しながら、使っている備品・機器など細かな質問がしやすいので話が膨らみます。

 

会話のイメージとしてはこんな感じ。

他に何か質問はありますか?

 

病院の概要や待遇面などは良く分かりました。働くイメージを膨らませたいので病棟を見学しながら1日の流れなどうかがってもよろしいですか?

 

・・・そして見学へ。

 

ここがナースステーションです。

へー綺麗ですね。カルテは電子カルテですよね?どこのものを利用しているんですか?

◯◯ですよ。

そうですか、前職は●●だったのですが…中途で入社した方はすぐに慣れていらっしゃいますか?

 

おおおお。一見「無関心」とみられる可能性があったあなたも、「積極的に記録方法を覚えようとしている」印象になりますね。

 

また、その病院が求人ページでアピールしている点をあえて尋ねるのも良いでしょう。採用側としてはぜひアピールしたいポイントなので、面接での会話が弾み、好印象につながります。

ホームページで、認定看護師の支援制度があると拝見しました。具体的には・・・

ええ、ええ!看護師のスキルアップには力を入れていますよ。当院では現在・・・・

 

まとめ

2つのパターンの「逆質問」の解決方法、いかがでしたか?

 

【逆質問に答えるポイント】

  • 聞きにくいこと、たとえば「残業人間関係を聞き出すには、「あるかないか」ではなく「どうあるか」を聞く
  • 質問がない場合には、具体的に自分の経験と照らし合わせて気になることを見つける

 

 

転職はパートナー選びに似ています。

 

合コンや初めてのデートでもそうですが、最初は相手と自分の共通ネタでかつ膨らみそうな話題を狙いますよね。その会話の中からお互いのパーソナリティーを探り合いますよね。

 

面接も同じです。最初はそれほど興味がなくても、相手の趣味や仕事など、具体的な話を聞き出すにつれて「興味を持ってもらえているのかな」という好印象を持ってもらえるし、あなた自身も「あれ、この人気が合うかも、もっと知りたいな」と気持ちが高まっていきます。

 

相手に選ばれるためにも、あなたが選ぶためにも、効果的な質問が必要なんです。

(そうして質問を繰り返すうちに、誰でもよかったはずが、いつしか「あなただけ」になったりして。愛が芽生える瞬間、素敵ですね。)

 

 

 


【江口さおり】

1984年生まれ。看護師専門転職アドバイザーとして、これまで延べ1,200名以上の看護師さんの転職をサポート。病院・施設からの採用の相談を受けることも多い。趣味は歌うこと。1児の母。

 

(illustration:ハラユキ)

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