ブラとは・・・
ブラ(ぶら、bulla)とは、肺内に異常な量の気腔(肺嚢胞)が形成された病変であり、嚢胞性肺疾患の一つである。
嚢胞性肺疾患には、肺の形成過程で気管や気管支の発生の異常で起きる気管支性肺嚢胞などの先天性と、肺胞壁の破壊で隣接する肺胞が癒合して嚢胞を形成する気腫性肺嚢胞などの後天性に分類される。ブラは気腫性肺嚢胞に分類され、肺の内部に形成される嚢胞病変である。また、肺気腫とは違い、肺組織の破壊は見られない。
ブラが形成される原因については多くの場合で不明である。
ブレブ(bleb)との違いは教科書により記述が若干違うが、ブラは1cm以上で胸膜下に位置する嚢胞であり、ブレブは1cm以下で臓側胸膜内に位置する嚢胞などとされる。しかし、臨床的に両者を区別することはあまりない。
症状
ブラは一般的には無症状であるが、正常肺を圧迫するほどの巨大嚢胞になると呼吸困難を呈しうる。また、感染などの合併や嚢胞壁の破堤により気胸が発生することがある。
検査・診断
診断は胸部X線や胸部CTによる画検査であるが、胸部X線像では写らないことが多く、小嚢胞の検出にはCTが有用である。無症状であるため、検診の胸部X線で偶発的に見つかることが多い。
治療
無症状の場合は治療の必要はない。しかし、呼吸機能に影響を及ぼすような巨大嚢胞や、気胸、感染などを繰り返すような場合には、嚢胞を手術により切除することがある。