最終更新日 2018/03/13

牛痘

牛痘とは・・・

牛痘(ぎゅうとう、cowpox)とは、牛痘ウイルス感染を原因とする感染症である。

 

牛痘ウイルスは、ポックスウイルス科に属するDNAウイルスであり、ネコ科動物、牛、ヒトなど、さまざまな動物を宿主として人畜共通感染症を引き起こす。

 

流行期間は、晩夏から秋にかけてで、自然宿主は齧類と考えられており、現在ではヨーロッパの一部、主にイギリスで野生の齧歯類とそれらを介した感染がみられる程度である。牛痘のヒトへの感染はごくまれである。また、ヒト-ヒト感染の報告はなく、ほとんどがネコからの感染と考えられている。

 

潜伏期間は10日間程度で、正常な皮膚組織が破綻した部位から感染するが、ヒトに感染してもほとんどが局所感染の軽症であり、丘疹、水疱、膿疱を形成したのちに瘢痕も残さずに治癒する。まれに、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患が背景にある場合には、全身の皮膚症状を呈することがある。

 

牛痘ウイルスは天然痘ウイルスと非常によく似た構造を持っており、イギリス人医師ジェンナーにより、人類初の天然痘ワクチンとして利用された。日本での天然痘の撲滅が確認された1976年以降、日本では基本的に種痘の接種は行われていない。

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