血管炎症候群とは・・・
血管炎症候群(けっかんえんしょうこうぐん、vasculitis syndrome)とは、血管そのものに炎症を起こす疾患の総称である。血管炎、全身性血管炎ともいう。
血管炎にはいくつか種類が存在するが、1994年のチャペルヒルコンセンサス会議により各血管炎の定義や分類法(CHCC1994)が提唱された。2013年には、改訂版CHCC分類(CHCC2012)が発表されている。
血管炎症候群の種類
CHCC分類では、侵される血管の太さにより大型血管炎・中型血管炎・小型血管炎の3種類に大別される(表1)。
表1血管炎症候群の分類(大血管炎・中血管炎・小型血管炎)
上記分類の他にも、
・多彩な血管を侵す血管炎(Variable vessel vasculitis;VVV)
(ベーチェット病、コーガン症候群)
・単一臓器血管炎(Single organ vasculitis;SOV)
(皮膚白血球破砕性血管炎、皮膚動脈炎、など)
・全身性疾患関連血管炎(Vasculitis associated with systemic disease)
(ループス血管炎、リウマトイド血管炎、など)
・指定病因を有する血管炎(Vasculitis associated with probable etiology)
(B型肝炎ウイルス関連血管炎、がん関連血管炎、など)
がある。
症状
血管壁に炎症を起こし、発熱・体重減少・筋肉痛・関節痛などの全身症状や、血管が侵された臓器の症状(腎障害・肺胞出血・皮疹・視力低下)など様々な症状を来す。
検査・診断
血液検査にて炎症反応(CRP、赤血球沈降速度)を認めることが多い。血管炎の種類によってはANCAが陽性となる場合がある。画像診断には、胸部単純X線、CT、MRI,超音波、血管造影、F-FDG PET/PET-CTなどが用いられる。診断には生検が重要であり、症状をきたしている臓器から生検を行う。それぞれの疾患において診断基準があるため、それを元にどの疾患に該当するか診断する。
治療
血管炎症候群は自己免疫疾患の一種であり、治療はステロイド投与が主体となる。血管炎の種類、重症度によっては免疫抑制剤も併用する。