最終更新日 2018/06/06

インフルエンザ

インフルエンザとは・・・

インフルエンザ(いんふるえんざ)は、1本鎖RNAウイルスによるウイルス性呼吸器感染症である。世界的な大流行により大量の死者を出しうるウイルスとして知られている。

 

このウイルスは、ウイルス粒子の表面にあるヘマグルチニン(赤血球凝集素)とノイラミニダーゼの構造を変化させることで流行を繰り返す。変化の過程は連続抗原変異と呼ばれ、抗体を持たない多くの人にウイルスが感染し流行を起こす。

 

症状

発熱に倦怠感、筋肉痛、関節痛、汁・頭痛等の症状が伴うことが一般的である。38℃以上の発熱が3日程度持続するが、通常は1週間以内に解熱する。

 

インフルエンザウイルスは、気道上皮に感染するとウイルスの増殖に伴い宿主細胞を殺し、びまん性の組織障害と壊死を起こす。そのため重症例では、ARDSや肺胞出血に進展することもある。また小児は成人と比較して、下痢症状を呈することが多く、上気道症状を伴わない場合もある。合併症としては肺炎(ウイルス性、細菌による二次性)や脳炎・脳症が多く、小児では熱性けいれんを起こしやすいとされる。

 

検査

後鼻腔粘膜ぬぐい液や鼻汁、咽頭ぬぐい液による迅速検査が我が国では一般的であるが、感度は成人で60~70%、小児で70~90%とされており、検査による除外は困難である。費用対効果の面からもルーチンの検査は勧められておらず、ガイドラインでも治療方針に影響があるときのみ施行するよう推奨されている。 

 

治療

抗ウイルス薬は、現在4剤(オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、ラニナミビル)がインフルエンザ治療薬として用いられる。インフルエンザはもともと自己免疫で治癒が可能なウイルス感染症であり、絶対的な治療適応はない。しかし、ハイリスク患者(妊婦・2歳未満の乳幼児・65歳以上の高齢者・基礎疾患を有する患者・免疫抑制状態にある患者・HIV患者・19歳以下でアスピリンの長期治療を受けている患者・入院/施設入所中患者・病的肥満患者)では抗ウイルス薬の使用が推奨されている。治療をすることで症状改善までの時間は半日~1日早くなるとされている。

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