脳性麻痺とは・・・
脳性麻痺(のうせいまひ、cerebral palsy;CP)とは、妊娠期間から新生児期に、脳の運動野が受けた損傷が原因で起こる姿勢・運動障害の総称である。遺伝性疾患、進行性疾患は除外される。
1000人に1~2人の割合で起こるとされている。
症状
乳児期には、首のすわりや寝返り、お座りができないといった運動発達の遅れ、四肢がかたく反り返りやすい、筋緊張の低下などがある。脳の非運動野も影響を受けている場合があるため、精神遅滞・行動障害・視力障害・聴力障害・てんかんなどの合併障害がみられることも多い。
運動障害の性質による分類
痙直型
筋肉が硬直、衰弱し、腕や脚が正常に発達しない状態。硬直が及ぶと、筋力も低下し、動作がぎこちなくなる。
アテトーゼ型
筋肉が不随意に動き、正常に制御することができない。非共同性の筋緊張。
固縮型
屈伸両方の筋群の緊張亢進。
失調型
動きの統制がとれず、筋肉衰弱や運動不安定性、震えを特徴とする。
低緊張型
筋緊張が低下する。
混合型
痙直型とアテトーゼ型の両方が表れる。
原因
原因は多岐にわたるが、出生前要因が最も多いとされている。
胎生期
周産期
出生後
脳炎、髄膜炎、脳血管障害
診断
脳性麻痺の原因となる脳の損傷を明らかにするため、血液検査、筋肉の電位測定、筋肉の生検、脳のCT検査、MRI検査、脳脊髄液検査などを行うことがある。
治療
脳性麻痺の、様々な運動障害や神経障害を完全に治すことはできない。よって、姿勢・運動、摂食、発語などをコントロールするために、治療、訓練を受けることが中心になる。薬物療法、手術療法、言語療法などのリハビリテーションプログラムを作り、総合的な療育を行う。
引用参考文献
1)田邉雄三.脳性麻痺.系統看護学講座 小児看護学2 小児臨床看護各論.第13版,医学書院,2015,387-388.(ISBN9784260019903)