副腎髄質から分泌されるホルモンは何?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「アドレナリンとノルアドレナリン」に関するQ&Aです。
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山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
副腎髄質から分泌されるホルモンは何?
副腎髄質は副腎の内側にあり、交感神経の支配を受けています。したがって、交感神経が優位になると、アドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)というホルモンを分泌します。
アドレナリンとノルアドレナリン(ノルエピネフリン)は、ともに化学式にカテコール核とアミノ基をもっているため、カテコールアミンといいます。
アドレナリンとノルアドレナリンは、ほかのホルモンと異なる特徴をもっています(図1)。
図1アドレナリンとノルアドレナリンの作用
それは、外部環境の急激な変化や生命を脅かすようなストレスを感じると、交感神経が活発になり、その刺激を受けるとすぐにホルモンが分泌されるという点です。これによって臓器の運動を調節します。
すなわち、心拍出量や血圧を上昇させる、消化器系の運動を抑制する、四肢の震えを起こすなど、生体を興奮状態にします。
アドレナリンとノルアドレナリンにはどんな違いがあるのでしょう。ともに生体を興奮状態にするという作用は類似していますが、働きの異なる点があります。
アドレナリンは心臓の収縮力を強めて心拍数を上げ、血糖値を上げるなど、代謝を亢進させる方向に働きます。ノルアドレナリンは、末梢血管を収縮させて血圧を上昇させるように働きます(図1)。
※編集部注※
当記事は、2017年10月13日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
[次回]
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版