「PEGカテーテル管理」に関するギモン|PEGケアQ&A

『病院から在宅までPEG(瘻)ケアの最新技術』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。

 

今回は「PEGカテーテル管理」に関するギモンについて説明します。

 

岡田晋吾
北美原クリニック理事長
倉 敏郎
町立長沼病院院長

 

〈目次〉

 

カテーテルは問題なく回転しているのですが、患者が痛がります。何かのトラブルでしょうか?

皮膚胃粘膜に障害が起きているおそれがあります。

 

バンパー埋没症候群を早期に発見するため、毎日の栄養投与の際、「カテーテルがスムーズに回転すること/上下に動くこと」を確認することが重要であることは、もうおわかりのことでしょう。

 

普通は、カテーテルを回転させても、痛みを伴わずにスムーズに回ります。

 

患者が痛がる場合には、皮膚や胃粘膜の障害を疑いましょう。

 

皮膚の周囲に炎症徴候(発赤など)がないかを確認してください。

 

図1

 

バルーン型PEGカテーテルの蒸留水チェックは、定期的に行ったほうがいいですか? どれくらいの頻度で行えばいいの?

1週間に1回程度、バルーン内の蒸留水(バルーン水)を交換します。製品によってバルーン水の量が異なることに、注意が必要です。

 

バルーン内の蒸留水は、放置すると少しずつ減少してしまいます。そのため、1週間に1回程度、バルーン内の蒸留水(バルーン水)を交換する必要があります。ただし、訪問診療訪問看護の都合によっては、2週間に1回の交換でも問題ないと考えます。

 

この際、バルーン水の量にも注意が必要です。製品によって、注入量が6~20mLと異なりますので、きちんと取扱説明書で確認しておきます。

 

また、バルーン水の交換に携わるスタッフに伝達するか、患者の側に書いておくとよいでしょう。

 

事故抜去予防として、ミトンやタオルのほかにも効果的な方法はありますか?

栄養投与時以外にも、事故抜去は起こります。PEGカテーテルを使わないときは、チューブをまとめて腹帯などに収納しておくとよいでしょう。

 

栄養剤投与時はもちろん、意外に、投与していないときや入浴時にも抜去は起こります。事故抜去が起きてしまうと、介護者にとっても負担となってしまいます。

 

PEGカテーテルを使わないときには、チューブの部分をまとめてガーゼなどで覆うことも予防になります。まとめたものを腹帯などに収納してしまえば、抜きにくくなります。

 

北美原クリニックでは、少しでも抜去の危険性がある患者には、抜去予防のためのつなぎや腹帯を紹介しています(図2)。

 

図2つなぎ・腹帯による抜去予防

 

 


本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。/著作権所有(C)2010照林社

 

[出典] 『PEG(胃瘻)ケアの最新技術』 (監修)岡田晋吾/2010年2月刊行/ 照林社

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