訪問診療とは・・・
訪問診療(ほうもんしんりょう)とは、医師が患者宅を訪問し、在宅で診療を行うことである。訪問診療と類似した医療サービスには往診がある。往診は突発的な症状の急変に対して、臨時で訪問するのに対し、訪問診療はあらかじめ訪問日などを決めておき、計画的な医学管理がなされる点で大きく異なる。
訪問診療の重要性が増す中、在宅でも医療施設と同レベルの医療を提供するための在宅用医療機器が数多く開発されている。これにより、居宅における各種検査や点滴、人工呼吸器管理、高カロリー輸液、がん末期などの緩和ケア等、院内と遜色ない治療が可能となっている。
訪問診療に関わる職種
訪問診療も院内と同じく、多職種によるチーム医療が行われている。以下に、訪問診療に関わる主な職種を挙げる。
医師
患者宅を定期的に訪問し、病状管理を行う。病状が落ち着いている場合は、月に2回程度の訪問が主流。急変時には臨時で訪問もする。必要に応じて看護師、薬剤師、リハビリテーション職種、栄養士など他職種に、訪問の指示を出す。死亡診断書作成を行うのも業務の一つ。
歯科医師、歯科衛生士
歯科医師、歯科衛生士がチームで訪問し、治療および口腔ケアを行う。対象患者の多くが高齢者であることから、虫歯や歯周病ケアだけでなく、義歯(入れ歯)の調整なども重要な業務となる。口腔内を清潔に保つことで、誤嚥性肺炎の予防につながるといわれている。
看護師
訪問看護ステーションなどに所属して、医師の指示に基づいて患者宅を訪問する。バイタルチェックや療養環境の整備、褥瘡管理、メンタルケアなど看護内容は多岐にわたる。
薬剤師
医師の指示に従って患者宅を訪問する。主な業務は調剤された薬の供給、服薬支援、残薬チェックなどの薬学的管理である。在宅患者の薬の飲み忘れ(残薬)を減らすことも重要な役目である。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
医師の指示のもとに患者宅を訪問する。患者が自立した日常生活を送れるように、歩行練習や日常活動訓練(トイレ動作、食事動作、入浴動作など)、住宅改修に関する助言、福祉用具に関する助言などを行う。