ヘモバック|ドレナージ吸引装置の使い方
『ドレーン・カテーテル・チューブ管理完全ガイド』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回はヘモバックについて説明します。
編著 窪田敬一
獨協医科大学医学部第二外科教授
〈目次〉
ヘモバックの使用部位・適応
ヘモバックの各部の名称と機能
ヘモバックの使用手順・接続
1システム組み立て
- ①吸引チューブを、エバキュエータの吸引口に奥まで挿入する。
- ②PVC製の場合:吸引チューブのうち一方の端を、コネクター吸引チューブYコネクターに挿入する。2本のドレーンを接続する場合は、このコネクターのY字形の一方を使用するドレーンの大きさ・数に合わせてサイズを示した位置にて切断する。
シリコン製の場合:キャップをとって差し込む。 - ③ドレーンの穿孔加工していない端部をコネクター内に差し込む。
2創傷ドレーンの取り付け方
- 分泌物が最大限集積、滞留すると予想され、現に分泌液・血塊やその他の残屑物がない部位にドレーンを当てる。
- ドレーンを、手術部位の縁端部より2~5cm離れた刺創から、体外へ取り出す。
- ドレナージと、その後の取り外しを容易に行い、ドレーンの圧迫による有害な反応を回避するため、ドレーンはあらかじめ皮膚の出口まで、もつれたり、よじれたりしないように注意する。
- 深部ドレナージは、組織の各層につき1つまたはそれ以上のドレーンを使用すると効果的に行える。各レベルを、それぞれ固有のエバキュエータに接続する。
- 閉止する際は、どのドレーンも自由に動くように、すべてのドレーンを繰り返し確認する。ドレーンを介して縫い合わせたり、ドレーンに切り込みを入れないように注意する。
- ドレーンが損傷すると取り外しが困難になり、また引き出すときに損傷部位で破断する危険性があり、破断片が患者の体内に残ったり、取り出しが難しくなる危険性がある。
- 密性シールを行うため、またドレーンが不必要に動かなくするために、ドレーンを出口部に固定する。
3ラインの接続
- ①ドレーンをコネクターの吸引チューブのYコネクターに接続する。
- ②プラグを排出口の中に少し挿入する。
- ③エバキュエータを圧搾しつぶしきった状態で、プラグ全体を排出口の中に挿入する。
- ④エバキュエータを開放して、吸引を開始する。
4ドレナージの測定とエバキュエータから排出する方法
- ①プラグを排出口から取り外す。
- ②排出口下方の側壁部に設けた目盛りを利用して、滲出液の量を測定する。
- ③排出口より滲出液を排出して、空にする。このとき、エバキュエータを押しつぶしながら排出しないこと。
- ④エバキュエータを再作動させてドレナージを続行する。
ヘモバックの使用上の注意
- ドレーンの取り付け、取り外しは、必ず手作業で行う。
- 必要に応じてドレーン・コネクター吸引チューブをコッヘルなどでミルキングする。
[販売元/資料請求先]
ジンマー株式会社
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[出典] 『ドレーン・カテーテル・チューブ管理完全ガイド第一版』 (編著)窪田敬一/2015年7月刊行/ 株式会社照林社