メラサキュームMS-008EX|ドレナージ吸引装置の使い方

ドレーンカテーテル・チューブ管理完全ガイド』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回はメラサキュームMS-008EXについて説明します。

 

編著 窪田敬一
獨協医科大学医学部第二外科教授

 

〈目次〉

 

メラサキュームMS-008EXの使用部位・適応

 

  • 胸部・腹部等(外科手術によって生じる患者の創部からの排出液や分泌物を、体外へ持続的に吸引する装置)

 

メラサキュームMS-008EXの各部の名称と機能

 

メラサキュームMS-008EXの使用手順

1準備

  1. 本体は、患者より低い位置で水平に設置する(患者への逆流などを防ぐため、80〜100cm以上の落差で設置)。
  2. 吸引ポートより滅菌蒸留水(24mL)をウォーターシール注入線まで注入した後、バッグハンガーに取り付け、器械側接続チューブを接続する。

 

2患者接続

コネクター付接続管と排液バックを接続し、コネクター付接続管のもう一方を患者ドレーンと接続する。チューブは患者が身体を動かせる程度の余裕を持たせ、キンク、外れがないようにテープなどで固定する。

 

 

3吸引

  1. 電源コードをコンセントに差込み、電源をONにする。
  2. 吸引圧を設定すると吸引が開始される。

 

メラサキュームMS-008EXの保守・点検

常に安全な吸引を行うため、以下の日常点検(始業前、終業後)を、必ず行う。

 

  1. 電源のON・OFFが正常に作動するか。
  2. 設定吸引圧に対してバーグラフは、追従して作動するか(設定吸引圧に対して正常に吸引しているか)。
  3. 各種スイッチは、正常に設定操作できるか。
  4. 滅菌製品(コネクター付接続管、排液バック)の包装に傷などの異常はないか。

 

メラサキュームMS-008EXの使用上の注意

1使用上の注意

  • 本体は、患者より低い位置に水平に設置する。
  • 吸引中はチューブのキンク、外れのないことを確認する。
  • チューブ内が排液により閉塞することがあるので、定期的に監視し、ミルキングなどを行う。
  • 長時間使用するとウォーターシール水が蒸発することがあるので、定期的に確認し、補充する。
  • 使用中には、常に患者、機器の状態に異常がないことを確認し、万一、異常があった場合には、すみやかに改善の処置を行う。
  • ドレンタンクに排液が貯留していないか監視する。
  • 排液バックの所定容量を超えないように監視し、オーバーフローさせない。

 

2トラブルシューティング

①機器が吸引しない

以下に示すような考えられる原因を確認する。

 

  • 電源が入っていない:電源コードをコンセントに差し込むか、電源スイッチをONにする。
  • 吸引ポンプが動作しない:設定圧を確認する。
  • 吸引圧の設定が異常である:設定圧にバーグラフが追従して作動しているか確認する。
  • 吸引回路(患者側・装置側)の異常:キンク、外れを確認する。

 

②警報が鳴る

以下に示すような考えられる原因を確認する。

 

  • 回路リーク警報:吸引回路(患者側・装置側)のチューブの外れを確認する。ドレンタンクを確実に閉める(設定圧に対して回路内圧が50%以下になったときにも鳴る)。
  • バッテリー警報:電源コードをコンセントに差し込み、充電する。
  • 高陰圧警報:設定圧に対して患者側が-20cmH2Oの差違を検知したときに鳴る。

 

③排液されていない

以下に示すような考えられる原因を確認する。

 

  • 患者接続チューブが閉塞している:キンクの確認やチューブ内の排液凝固物のミルキングを行う。また、ドレーン挿入位置の確認を行う。
  • 装置の作動異常:操作パネルの表示がつかない、吸引ポンプの作動音がない、スイッチの操作ができない、などのときは、メーカーに問い合わせる。

 


[販売元/資料請求先]
泉工医科工業株式会社
〒113-0033 東京都文京区本郷3-23-13
URL:http://www.mera.co.jp/

 

*掲載時のものです。

 


本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。/著作権所有(C)2015照林社

 

[出典] 『ドレーン・カテーテル・チューブ管理完全ガイド第一版』 (編著)窪田敬一/2015年7月刊行/ 株式会社照林社

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