レム睡眠とノンレム睡眠って何?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「レム睡眠とノンレム睡眠」に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

 

睡眠は波に現れる変化によってレム睡眠ノンレム睡眠に分けられます(図1)。

 

図1レム睡眠とノンレム睡眠の睡眠の段階

レム睡眠とノンレム睡眠の睡眠の段階

 

入眠とともに始まるのがノンレム睡眠です。ノンレム睡眠では副交感神経が優位になり、心拍数や体温、代謝などが低下します。また、大脳皮質の活動が低下するため、脳波も、浅い眠りから深い眠り(1期から4期)になるにしたがってθ(シータ)波、δ(デルタ)波に近い波形になります。

 

ノンレム睡眠が60~70分続くと、その後にレム睡眠が始まります。レム睡眠は逆説睡眠ともいい、閉じたまぶたの下で、覚醒しているときのように眼球が動きます(急速眼球運動)。これは大脳皮質が不規則に活動している状態であり、脳波も、覚醒しているときの脳波に似た波形が見られます。夢はレム睡眠中に見ます。

 

レム睡眠は深いノンレム睡眠に引き続いて始まるため、低下した交感神経が揺り動かされ、その結果、脈拍数や呼吸数、血圧などが不規則に変動します。1回のレム睡眠は30分ほど続きます。一晩の睡眠では4~5回のレム睡眠が現われます。

 

ノンレム睡眠とレム睡眠が繰り返されるのは、眠りすぎることによって生じる危険を回避するためです。

 

野生の動物は、常に危険な敵に囲まれて生活しています。深く寝入ってしまうことは、敵に襲われる危険につながります。そこで、外界の様子を監視するために睡眠中に定期的に交感神経を刺激し、眠りを浅くしているということなのです。

 

MEMOレム睡眠とノンレム睡眠

レム(REM)は、rapid eye movement の略で、レム睡眠は眼球が急速に動いている状態を表します。ノンレム(non-REM)睡眠はレム睡眠でない状態という意味です。夢はレム睡眠中にみます。

MEMO睡眠周期

ノンレム睡眠とレム睡眠を合わせて睡眠周期といいます。睡眠前期はノンレム睡眠が多くなりますが、朝が近づくにつれてレム睡眠が増えていきます。こうして交感神経が次第に優位になり、目覚めます。

 

※編集部注※

当記事は、2018年5月7日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版

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