体温測定の意義と注意点は?
【大好評】看護roo!オンラインセミナー
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は体温測定時の意義と注意点について解説します。
江口正信
公立福生病院診療部部長
〈目次〉
体温測定時の注意点
体温は個人差以外にも、年齢、運動、食事、入浴、日差(日内変動)、月経周期、精神的な感動や興奮、安静や睡眠などによって変動します。したがって、これらの生理的な変動要因を考慮しながら、測定部位や時間を決定します。その測定部位や計測時間に応じた体温計を選択します(図1)。
図1体温計の種類
腋窩検温
- 測る前は、必ず腋窩の汗はしっかりと拭きとっておきましょう。汗があると、体温計が密着せず、放熱によって皮膚が冷やされてしまい、正しい値となりません。
- 腋窩に体温計の先端が触れるよう、体温計の先を下から上に向けて押し上げるようにはさみます(図2、「部位による温度分布」参照)。
- 手のひらを上向きにすると脇が閉まるので、検温部位が密閉され放熱を避けられます。
図2腋窩検温
直腸検温
図3直腸検温
耳式検温
- 乳幼児に、よく使われる方法です。耳の中から放出している体温に相当する赤外線を体温計が感知し測定します。
- 外耳道が短く太いため正確に測定しやすい方法です。
- とくに注意することは、体温計のプローブカバーを必ず着け、耳の奥(鼓膜)に向けて入口をぴったりふさぐように深く入れることです(図4)。
耳内温
耳式検温で測定している「耳内温」とは、耳の中の鼓膜及びその周辺の温度のことです。
図4耳式検温
口腔検温
図5口腔検温
※編集部注※
当記事は、2016年4月4日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
⇒この〔連載記事一覧〕を見る
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版