いまだに減らない「いきなりAIDS」|厚生科学審議会感染症部会エイズ・性感染症に関する小委員会が報告

【日経メディカルAナーシング Pick up!】

 

本吉 葵=日経メディカル

 

厚生労働省の厚生科学審議会感染症部会エイズ・性感染症に関する小委員会で4月17日、2017年度のHIV・後天性免疫不全症候群AIDS)速報値が報告された。

 

2017年度における新規HIV感染者(AIDS未発症者)の報告数は昨年の1011件から微減の992件、感染に気が付かないままAIDSを発症した患者の報告数も昨年の437件から微減の415件で、いずれもこの10年では最も少ない報告数となった。

 

一方、新規HIV感染者およびAIDS患者の合計数のうち、新規AIDS患者の占める割合は「いきなりAIDS」と呼ばれるが、この値の2017年度の速報値は29.5%と、この10年横ばいのまま。

 

これまでもHIV感染者の早期発見の重要性が強調されてきたが、いまだに多くが見逃されている現状が明らかになった。

 

発生動向報告に加え、本委員会では今年1月に改定された「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針」についても報告された。

 

改定指針では、HIV感染の早期発見のためにも医療従事者は、性器クラミジア感染症、性器ヘルペス感染症、尖圭コンジローマ、梅毒、淋菌感染症、B型肝炎、アメーバ赤痢等の性感染症の罹患が疑われる者に対して、積極的にHIV検査を実施する必要があることが追記された。

 

また委員会では、発生動向の調査および分析の強化案として、2019年1月から発生届の届出事項にCD4値を追加することが了承された。

 

CD4値は、HIV陽性者の免疫力を反映する指標で、CD4値は感染者のほとんどでHIV感染症の進行とともに減少していく。

 

診断時のCD4値を国内全体で収集し継続的に変化を追うことで、国内におけるHIV感染症の早期診断の推進度合いを把握できる可能性がある。

 

 

<掲載元>

日経メディカルAナーシング

Aナーシングは、医学メディアとして40年の歴史を持つ「日経メディカル」がプロデュースする看護師向け情報サイト。会員登録(無料)すると、臨床からキャリアまで、多くのニュースやコラムをご覧いただけます。Aナーシングサイトはこちら

SNSシェア

コメント

0/100

キャリア・働き方トップへ

掲示板でいま話題

他の話題を見る

アンケート受付中

他の本音アンケートを見る

今日の看護クイズ

本日の問題

◆救急の問題◆死戦期呼吸とはどのような呼吸でしょうか?

  1. 無呼吸と浅い呼吸と深い呼吸を周期的に繰り返す呼吸
  2. 頻呼吸と無呼吸を不規則に繰り返す呼吸
  3. しゃくりあげるような不規則な呼吸
  4. 深く速い呼吸が規則正しく持続する呼吸

2857人が挑戦!

解答してポイントをGET

ナースの給料明細

8985人の年収・手当公開中!

給料明細を検索