性器ヘルペスとは・・・
性器ヘルペス(せいきへるぺす、genital herpes)とは、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって起こる、外陰部に水疱や潰瘍ができる性感染症の一つである。
ヘルペスウイルスは、一度感染すると、生涯にわたり感覚神経節に潜伏感染する。宿主(患者)の免疫状態が落ちているとき、再活性し、繰り返す。
原因
性交渉を介して感染が伝播する。
症状
症状は、初感染時が最も重く、外陰部の掻痒感や違和感といった前駆症状ののちに、発熱や倦怠感などの全身症状が出現する。また、それと同時に外陰部に有痛性の潰瘍(左右対称で左右の陰部が互いに接する位置に潰瘍があることが特徴)や小水疱が出現する。単純ヘルペスウイルス(HSV)によるウイルス性髄膜炎に至ることもある。なお、初感染時は不顕性感染も多い。再発した場合の症状は、通常初感染時よりも軽いことが多い。
また、妊婦の性器ヘルペスには特に注意しておかなければならない。母体の免疫状態が落ち、ウイルスが活性化している状態で出産した場合、新生児にヘルペスウイルスが感染し、ヘルペス脳炎などの重篤な新生児感染症を引き起こし得る。
治療
抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル)の内服、点滴、外用を行う。再発の場合は、症状が軽度であるため、外用薬で対応可能である。なお、ステロイドの使用は症状を悪化させる恐れがあるため禁忌である。