韓国で流行中のMERS(マーズ)日本での感染リスク・予防法まとめ

韓国で流行しているMERS(マーズ)コロナウイルス。6月9日の時点で死者7名、感染者は95名にのぼりました。

先月、中東から韓国へ帰国した男性に感染が確認されて以来、この男性が入院した韓国中部の平沢(ピョンテク)にある病院を中心に感染が広がったとみられています。感染拡大の恐れから、現在2300名以上の人が隔離対象となっています。

 

韓国政府の発表では、感染はすべて6つの病院内で発生したものとされています。

その中にソウルの大規模な病院も含まれていたことから市民の不安が高まり、病院周辺の小学校57校は6月8日から3日間休校措置を取りました。

 

MERS感染者増 ソウルでも不安強まる(NHKニュース)

 

MERSとは?

MERS(マーズ)とは中東呼吸器症候群のことで、MERSコロナウイルスと呼ばれるウイルス性の感染症です。

主に発熱やせき、息切れなどの症状があり、下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。基礎疾患がある人や高齢者は重傷化の恐れがあり、WHOに報告されている死亡の割合は約40%です。

 

現在韓国で起きている感染は、せきやくしゃみなどの飛沫感染、または接触感染などの院内感染と考えられています。MERSの大元の感染源としては、中東のヒトコブラクダが疑われています。

現在、MERSに対するワクチンや治療法は見出されていないため、症状に応じた治療が行われています。

 

日本で感染者が発生する可能性は?

韓国や中東地域からの感染者が日本に入国すれば、国内でも感染者が発生する可能性はあります。

 

厚生労働省は既に対策を行っており、6月4日時点で、韓国からの入国者については然るべき検疫対応をするよう、厚生労働省から各検閲所へ指示が出されました。

また、検査を迅速に行えるよう、全国の自治体と検閲所にMERSウイルス検査のための試薬が配布されるなど、検査体制が整備されています。

 

予防法と院内感染対策

MERSの予防には、せきやくしゃみの症状のある人や動物との接触をできるだけ避けることや、こまめに手を洗うこと。加熱が不十分な肉や乳、不衛生な調理環境での食べ物は控えることなど一般的な感染対策が有効です。

 

日本国内で感染の疑いのある患者さんと接する場合には、サージカルマスクやN95マスクの着用、観察の際には眼の防御具、手袋、ガウンなどを着用が呼びかけられています。また、院内感染を防ぐためには、呼吸器衛生・せきエチケットを含む標準予防策を徹底して、飛沫感染予防策を行うことが最重要とされています。

 

院内での感染予防策

  • ・外来では呼吸器衛生・エチケットを徹底する
  • ・手指衛生を確実に行う
  • ・N95マスク、手袋、眼の防護具(フェイスシールドやゴーグル)、ガウン(適宜エプロン追加)を着用
  • ・陰圧管理できる病室もしくは換気の良好な個室を使用
  • ・患者の移動は医学的に必要な目的に限定する
  • ・患者にはサージカルマスクを装着させる

 


(参考)

中東呼吸器症候群(MERS)に関するQ&A(厚生労働省)

中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)患者搬送における感染対策(国立感染症研究所)

中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)に対する院内感染対策(国立感染症研究所)

 

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