RSウイルスとは・・・
RSウイルス(あーるえすういるす、respiratory syncytial virus)とは、RNAウイルスの一種である。
RSウイルス感染症は乳幼児期における最も頻度の高い呼吸器感染症である。生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%が初感染を受けるが、そのうち30~40%が下気道炎に至り、1~3%が重症化し入院加療を要する。重症化のリスクとしては生後6カ月未満、早産児、慢性呼吸器疾患や先天性心疾患、ダウン症、免疫不全、65歳以上の高齢者が挙げられる。
RSウイルスには季節性があり、従来は冬季に流行していたが、近年は夏から流行が始まっている。
RSウイルス感染症の症状は年齢や重症度によりさまざまである。乳児は下気道炎を起こすことが多く、幼児では上気道炎に始まり下気道炎に移行することが多い。無呼吸は乳児に特徴的で、突然死の原因になるため、入院が必要である。RSウイルスでは下気道症状は一般的に8~15日程度持続されるが、症状が出始めてから5日程度かけて増悪するのが特徴的である。また、感染に伴い出現した喘鳴は1週間以上持続する場合もある。RSウイルス感染症は自然軽快する病気であるが、中にはウイルス感染を原因として喘鳴を繰り返す患者もいる。二次性の細菌感染が起こる割合は1-2%程度と低いとされている。
RSウイルス感染症に似た症状を呈する疾患としては、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス等による感染症がある。