過活動膀胱とは・・・
過活動膀胱(かかつどうぼうこう、overactive bladder++;OAB)とは、尿意切迫感(急に尿がしたくなり我慢が難しいこと)を有し、頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁などの症状を伴う機能障害である。
ただし、膀胱がん、膀胱炎、間質性膀胱炎、子宮内膜症、前立腺がん、前立腺炎、尿道炎、尿閉、多尿、心因性の頻尿などはこれに含めない。
原因
・前立腺肥大症による排尿障害に起因する膀胱の過敏性
・神経因性膀胱で排尿中枢より上位の疾患である、脳血管障害やパーキンソン病や脊髄障害
・加齢による膀胱の柔軟性低下
・不明
診断
・過活動膀胱症状質問票(overactive bladder symptom score;OABSS)を用いた問診。すなわち週に1回以上尿意切迫感があることに加え、日中の排尿回数が8回以上、夜間の排尿回数が1回以上、急に尿がしたくなり我慢できずに尿を漏らすことが週1回以上のいずれかの症状があり、先に述べた膀胱がん等の除外すべき原因がない場合に過活動膀胱と診断される。
・神経因性膀胱の原因となる神経疾患の有無を尋ねる問診。
・残尿が多い場合には薬物治療により残尿量が増加することがあるので超音波検査による残尿のチェックが必要。
・膀胱炎や悪性疾患の除外のための尿検査は必須である。
治療
・バイオフィードバック:排尿を我慢する膀胱訓練。
・薬物療法:排尿筋過活動を抑える抗コリン薬、三環系抗うつ薬、β3遮断薬。
・電気刺激:膀胱の緊張を抑え尿道緊張を高める低周波電気刺激療法。
前立腺肥大症が原因の場合には、肥大症に対する外科的手術やα遮断薬、抗コリン薬などを使用した薬物治療が行われる。