超音波検査とは・・・
超音波検査(ちょうおんぱけんさ、echography)とは、画像検査法の一種で、超音波を対象物に当ててその跳ね返った音波を拾い集めて映像化する検査のことである。
超音波とは音の一種であり、通常耳で聞こえる音より高い周波数の音のことを指す。人間の耳で聞こえる周波数の範囲はおおよそ20~20,000Hzといわれているが、超音波検査に用いる周波数は主に3MHzより高い周波数の音を用いる。超音波検査に用いる超音波は人体には無害で、痛みもない。
超音波は、基本的には液体、固体ではよく伝わり、気体は伝わりにくい性質を持つ。したがって、心臓、肝臓、腎臓などの実質臓器、筋肉、血管などの軟部組織内では超音波が伝わりやすいためによく描出できるが、肺や腸管ガスなどのように空気があると、そこで超音波が散乱して先には届かないため描出が悪くなる。逆に、骨や石などでは表面で強く反射されてしまい、表面の観察にとどまる。また、超音波検査では、他の検査に比べて、リアルタイムに観察できるため、心臓の弁や血管内の血流を測定するには有用である。
具体例としては、心臓や大動脈の評価を行う心臓超音波検査、腹腔内の実質臓器や妊娠中の胎児の評価を行う腹部超音波検査などがある。また、体表からの検査に限らず、膣から挿入して子宮や卵巣の評価を行う経腟超音波検査、口から挿入して心臓を後方の食道から観察する経食道心臓超音波検査、上部消化管内視鏡の先端に搭載された超音波で膵臓や胆嚢を検査する超音波内視鏡検査などもある。