結節性多発動脈炎とは・・・
結節性多発動脈炎(けっせつせいたはつどうみゃくえん/polyarteritis nodosa/PAN)は、全身の中小動脈に炎症が起こり、各臓器が障害される疾患である。発症は稀で、40〜60歳の中高年が好発年齢である。
原則として、予後不良の疾患である。なお、結節性多発動脈炎と顕微鏡的多発血管炎は、2005年まで同一の疾患概念(結節性動脈周囲炎/PN)として扱われていたが、現在は対象となる血管のレベルとANCAの陽性率から、異なる疾患として区別されている。
症状
症状は多彩で、発熱、体重減少、全身倦怠感から始まり、腎障害、神経障害(多発性単神経炎など)、皮膚障害(皮膚潰瘍、皮下結節、紫斑、網状皮斑、紅斑)などの各種臓器障害に伴う症状を認める。
検査・診断
血液検査では、白血球・血小板・CRP・フィブリノゲンの上昇、アルブミンの低下を認める。また自己抗体は陰性で、特にANCAも陰性である。
診断は、症状、生検検査による血管炎所見、血管造影検査による動脈瘤や狭窄、閉塞の所見を組み合わせて行われる。
治療
ステロイドと免疫抑制薬を併用する。重症例にはステロイドパルス療法を行う。また閉塞性血管症状に対しては、抗凝固療法や抗血小板療法を行う。