抗アレルギー薬とは・・・
抗アレルギー薬(こうあれるぎーやく、anti-allergic drug)とは、一般的にはアレルギー疾患の治療薬を指す。具体的には、以下に大別される。
種類
(1)ケミカルメディエーター遊離抑制薬
肥満細胞に作用してヒスタミンやロイコトリエンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑制する。効果の判定には、4~6週間の投与が必要である。
(2)トロンボキサンA2
気管支の収縮や血管透過性の亢進に関与するトロンボキサンA2を阻害する。薬剤によって、トロンボキサンA2の受容体を阻害したり、トロンボキサンA2の合成を阻害したり、作用はさまざまである。
(3)ロイコトリエン受容体拮抗薬
ロイコトリエンの作用を阻害することによる、気管支拡張作用と気道炎症抑制作用を有す。アレルギー性鼻炎合併喘息、運動誘発喘息、アスピリン喘息の長期管理に有用である。
(4)サイトカイン阻害薬
Th2細胞から作られるTh2サイトカインを阻害することで、IgE抗体と好酸球を減少させ、気道過敏性を改善しうる。
ヒスタミン受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)
広義のアレルギー疾患の治療薬としては、ヒスタミン受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)も挙げられる。ヒスタミン受容体拮抗薬は、肥満細胞から放出されるヒスタミンの作用を阻害する。H1ブロッカーとH2ブロッカーがあるが、アレルギーに強く関与するのはH1ブロッカーであり、くしゃみ、鼻汁、掻痒感などに効果を発揮する。第一世代の抗ヒスタミン薬は、中枢神経を抑制し、催眠作用をもたらすこともある。