食物アレルギーとは・・・
食物アレルギー(しょくもつあれるぎー、food allergy)とは、食事によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して、生体にとって不利益な症状が引き起こされる現象である。
原因
日本の食物アレルギーの原因食品として、鶏卵、牛乳、大豆が三大アレルゲンと言われてきたが、最近の調査によると、大豆よりも小麦の頻度が高く、7歳以後は甲殻類、そば、果物による食物アレルギーが増加する。
症状
食物摂取後15~30分で蕁麻疹、血管性浮腫、気管支喘息、腹痛、重篤な場合はアナフィラキシーショックを呈する。
診断
確定診断は、アレルギーの原因として疑われる食物の分割摂取によって症状の再現性(アレルギー症状が現れるかどうか)を確認する食物経口負荷試験を行う。これは医師の管理の下で行う必要がある。
免疫学的検査としては、特異的IgE抗体の測定、皮膚プリックテスト、好塩基球ヒスタミン遊離試験(HRT)などがある。これら検査結果は必ずしも食物経口負荷試験の結果と一致しないこともあり、その解釈に注意する必要がある。
治療
治療は、原因となる食物を摂取しないこと(アレルゲン除去食)が基本となる。しかし、厳格な食物の除去は栄養障害や摂食障害を引き起こすことから、適切な栄養指導の下で行う必要がある。アナフィラキシーへの医療機関外での対処法としては、アドレナリン自己注射薬(エピペン®)の使用が認められている。予後については、乳児の食物アレルギーは寛解しやすく、特に牛乳と卵に対しては耐性を獲得しやすい。今後は、治療法として経口免疫療法が期待されている。