摂食障害とは・・・
摂食障害(せっしょくしょうがい、eating disorder)とは、食行動に関わることに問題が現れる精神疾患である。中枢性摂食異常症ともいう。神経性食欲不振症、神経性過食症、過食性障害、異食症などが摂食障害に含まれる。
摂食障害はさまざまな因子が複雑に絡み合う多因子疾患であると考えられている。主に思春期に発症しやすいとされ、スリムになりたいというやせ願望だけでなく、家族関係などの環境因子も存在する。青年期早期においても、これらに加えて社会的ストレスや、職業上の理由でスリム体型の維持への圧力などによって発症する。その他にも、生物学的要因で発症することがある。
摂食障害は精神疾患の中でも死亡率が高く、神経性やせ症の女性では早期死亡のリスクが6~12倍に上昇するといわれている。
症状
摂食障害は、主に神経性食欲不振症、神経性過食症、過食性障害に大別され、それぞれで異なる精神症状や行動異常を来す(表1)。
表1摂食障害の種類と症状
また、摂食障害は窃盗症と合併することがあるという報告もある。
検査・診断
摂食障害の診断には、スクリーニングが有効である。さまざまなスクリーニングスコアが存在するが、代表的なものにSCOFF摂食障害スクリーニングテストがある。スクリーニングを行いながら、体重減少、食事摂取、栄養摂取歴、月経歴などについて聞き取りを行い、条件が揃えば摂食障害を認める。検査として、バイタルサインを測り、身体測定からBMIを割り出して評価する。
引用参考文献
1)“AEDレポート2016 第3版”.日本摂食障害学会.
2)“疾患概説”.摂食障害情報ポータルサイト.
3)“摂食障害”. 厚生労働省.
4)慶應義塾大学病院.”摂食障害”.KOMPAS.
5)医療情報科学研究所編.看護師・看護学生のための なぜ?どうして?9(精神看護).第5版,メディックメディア,2013,287-297(ISBN9784896324839)