最終更新日 2018/05/30

生体腎移植

生体腎移植とは・・・

生体腎移植(せいたいじんいしょく、living kidney transplantation)とは、腎移植のうち生体ドナーから提供された腎臓を用いる移植である。

 

腎代替療法

腎不全が進行し末期腎不全となると、自己の腎機能だけでは体液量や電解質のバランスを保てなくなり、腎機能を代替する腎代替療法が必要となる。腎代替療法には、血液透析、腹膜透析、腎移植の3種類がある。さらに腎移植には、死や心臓死のドナーから腎臓をもらう死体腎(献腎)移植と、家族などのドナーから2個のうち1個の腎臓をもらう生体腎移植がある。日本では生体腎移植が多く行われているが、欧米では献腎移植が約50~90%と半数以上を占める国が多い。

 

生体腎移植を行う前に

生体腎移植では、ドナーとレシピエントの血液検査などを事前に行い、拒絶反応を起こす危険性の程度について評価を行う。リンパ球クロスマッチ試験、HLA適合試験などがある。なおABO式血液型については、必ずしも一致していなくとも移植可能である。その他、生体腎ドナーには腎疾患や悪性腫瘍がないことや、自発的な意思による提供であることを確認する必要がある。

 

手術について

手術はドナーの腎摘出術とレシピエントへの腎移植術が並行して行われる。術後、ドナーは片腎となるがその腎機能は半分まで低下するわけではなく、一般的には術前の7割程度の腎機能になるとされる。

執筆: 山城 葵

自衛隊札幌病院 内科

執筆: 今給黎敏彦

防衛医科大学校病院 腎臓内分泌内科講師

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