移植とは・・・
移植(いしょく、transplantation)とは、医療の領域では、臓器や組織を移し替えることを意味する。主には健康な臓器や組織を、機能不全に陥った臓器や組織と取り替えることである。
自分自身の組織を移植するものを自家移植、他者の組織を移植するものを他家移植という。また、人工材料を移植するものもある。
自家移植
自家移植には、皮膚の損傷がある部分に自身の健常な皮膚を移植する植皮や、自身の造血幹細胞を移植する自家造血幹細胞移植などがある。
他家移植
他家移植には、生存している他者から移植する生体移植と脳死後の脳死移植、心停止後の心停止後移植がある。臓器提供する側をドナー、臓器提供を受ける側をレシピエントという。
(1)生体移植
現時点で生体移植が可能な臓器としては、肝臓や肺、腎臓などがある。脳死後移植ではこれに加えて、心臓、膵臓、小腸などほぼ全ての臓器が移植可能である。
(2)脳死移植
一方、心停止後では急速に臓器の機能が低下するため、脳死後に比べると移植できる臓器には限りがある。脳死後移植および心停止後移植は日本では臓器移植法に基づいて行われており、日本臓器移植ネットワークの調整のもとで行われる。
他家移植では移植された組織を異物と認識し拒絶反応が起こるため、拒絶反応を抑制する免疫抑制剤の投与が必須である。免疫抑制剤は通常の免疫も抑制するため、感染症にかかりやすくなり重症化もしやすいという副作用がある。